「マンダラ」は密教を絵画で表したものだ。
今回は、絵画で表した「マンダラ」や仏像で表した立体的な「マンダラ」を展示し、密教の仏たちが満ち溢れる空間を体感できるような展示を実現している。 絵画のマンダラの「両界曼荼羅」は、大日経という経典の内容を表した
修行、気持ちの動きを表すという
「両界曼荼羅 胎蔵界」や金剛頂経という経典の内容を表した「両界曼荼羅 金剛界」の2つで1つの絵画となる。
金剛界のマンダラの世界を立体的な仏像で表した「五智如来坐像」は、空海の孫弟子にあたる恵運が制作を指揮したものだ。
インドネシアには「金剛界曼荼羅彫像群」という密教の仏像がある。密教は胎蔵界と金剛界の2つの教えのうち、仏教が誕生したインドから1つが海やインドネシアを通り、中国に伝わったため、インドネシアにも密教の仏像が伝わっている。「文殊菩薩坐像」は中国の密教の仏像で、空海は遣唐使の一員として中国にわたり、師匠となる恵果阿闍梨と出会い、密教を授かった。
「金銅密教法具」は、空海が始めた「後七日御修法」という密教の儀式で使われる道具で、古代インドで武器だったものを煩悩を打ち砕くという意味で、密教の道具としてデザインを取り込んだといわれている。また「後七日御修法」は現在、京都の東寺で行われていて、道具も使われている。
「高雄曼荼羅」は空海が唐から帰国して、平安京に入り、最初に拠点とした神護寺に伝わる両界曼荼羅のうちの金剛界のもので、空海が直接関わった両界曼荼羅で唯一、現存しているマンダラだ。
「弘法大師坐像」は修行をしていたある行者が約1万日にわたり、空海の古い像にお参りをしていたそうで、ある日、空海が左側を向いた夢を見て、目を覚まして像を確認すると夢で見た通りに像の首が左側を向いていたという話を像に表したものだ。
展覧会では、空海が言い伝えた密教のマンダラ世界を感じ取れ、密教の世界観や歴史を知り、深めることができる。民衆を救うために