2011年3月11日、あの日、私は当時勤めていた会社の2階で会議に参加していました。
建物は鉄骨造でしたが、一瞬、揺れてるのかなぁ~と前に座っている人と顔を見合わせました。
ゆっくりとした揺れがかなり、長く続き、周りの社員たちも地震や、と騒ぎ出しました。
私は20年前の阪神淡路大震災の時を思い出し、おまわず「どこか遠くで大きな地震が起きたんちゃうか?」とつぶやきました。
その言葉を聞いた専務がテレビをつけました。「東北地方で大きな地震が発生しました。」と地震の第一報を伝えるニュースが流れていました。
会議が終わった後、再びテレビをつけてみると、大変な惨状がリアルタイムで伝えられていました。
私は河川や田畑を覆い尽くす津波に次々と飲み込まれていく自動車の姿を観て、目頭が熱くなって、胸が締め付けられる思いでした。
上司に「気分が悪いので今日はこれで退社します。」と伝えて自宅に帰りました。
あの時から、自然の猛威に立ち向かうために私は何ができるのだろうか?と考えてきました。
自分の生業に木造建築を選んだ以上、地震に強い「住まい」を造ろうと思ってきましたが、それだけで充分なんだろうか?といつも感じていました。
「人は一人では生きていけない動物」だと思い、人と人の繋がりのなかで災害に立ち向かうことが必要だと考えるようになりました。
「雅工舎」は、そんな私の想いが原動力の工務店なのです。