(見えない仕組みを見る 714)
大河ドラマ「篤姫」で、おーーっ!と思った場面です。
第49回「明治前夜の再会」
西郷率いる官軍の江戸城総攻めは取りやめになったが、幕府と大奥は江戸城を明け渡すことになった。
1カ月の間に、全ての女中の行き先を決めてやり、天璋院自身も荷物の整理をする。
天璋院が大奥を去るその日がきて。
豪華なお籠を前に、眉間にしわを寄せる天璋院。
お送りするため並んで座っている女たち。
滝山の前で立ち止まって座り。
天璋院「滝山…」
滝山「はい」
天璋院「まことの気持ちを申せば、私は無念でならぬ。私の代で、この城を明け渡さねばならぬなどと…」
滝山「恐れながら、天璋院様なればこそ、こたびのこと乗り切ることが出来たのだと、私は、思っております」
天璋院「私、なればこそ…」
滝山「大奥を統べるのが他のどなただったとしても、こうは運びませんでしたでしょう」
天璋院「大奥を閉じるのが、私の役割であったと、申すか」
滝山「はい。あなた様は、選ばれしお方だったと存じます」
「自らの運命を知った大奥が、あなた様を、ここへ呼び寄せたに相違ありません」
天璋院「大奥が、私を、呼んだ?」
滝山、手をつき「そのようなお方に、最後までお仕えでき、私は、これまでの大奥年寄りの誰よりも、幸せにございました」
深くひれ伏す滝山。
お籠に乗った天璋院、目に涙を浮かべ「滝山、息災でな」
見送る滝山は笑顔で「天璋院様こそ、幾久しく、お元気で」
お籠が大奥を出たのを見届け、涙を流してひれ伏す滝山。
滝山さん(稲森いずみさん)は、大奥の女中のトップ、お年寄りの地位にあるキャリアウーマンです。
16歳で大奥に入ってずっとそこで暮らしてた人。
大奥に入るには厳しい審査があるそうで、入れると、どんな商家に奉公するよりお給料が良かったらしい。
しかも、もし公方さま(将軍)のお手がついたら昇進して個室をもらえる。
つまり、女性には憧れの職場で、そこのトップがお年寄り。
そのトップの大奥年寄り・滝山を演じた稲森いずみさんが、見事にはまってました☆
大奥の女中たちの中で一番綺麗で出来る女という感じだったし☆
この、バリバリのキャリアウーマンの滝山さんに、こういう台詞を言わせるなんて。
脚本家の田淵久美子さん、やるなー!
この場面を初めて見たのは、たぶん、放映終了のすぐ後だったと記憶してます。
この「大奥が自らの運命を知って篤姫を呼び寄せた」というのが気になって、いつかちゃんと見ようとと思ってました。
実は、ドラマの最初、第1回「天命の子」で、ちゃんと伏線がありました。
母のお幸さんがまだ妊娠中、屋敷の縁側でいきなり倒れ、気を失う。
ふと目覚めると誰もいなくて、庭を見ると。
見知らぬ修行者みたいな男が左手に杖を持って立ち、お幸さんを見ている。
右手を真っ直ぐお幸さんに向け。
「その娘を、江戸を連れて参る」
え!?と驚くお幸さん。
お腹に手を当て「あなたは娘なの?」
また気を失い、目が覚めたら皆が心配そうに見ていた。
やっぱり、篤姫は江戸へ行って大奥に入る者として生まれた、という設定なんですね。
この不思議な話を、本家の養女になった篤姫が将軍家の御台所になることを知って、お幸さんがやっと夫・忠剛に語ります。
第11回「七夕の再会」
忠剛「そんなことがあったのか…」
お幸「あの子は、私達が一時、天から預かった子なのやも知れませぬなぁ」
忠剛、何度もうなづき「そうかもしれんな」
「それにしても…、江戸か…、遠いのうー」
お幸「遠うございますねぇ」
やっぱり、天命の子、なんですね、ドラマでは。
でも、生まれる前の記憶がないだけで、誰しも天命を持って生まれるわけで。
それが目に見えて大きい事を成す人もいれば、日常でその人にしかできない事を成すこともあり。
天命の子、というと特別な人、みたいな印象だけど。
天命、やること、やるべきこと。
それは、一人一人が持っている。
そんな気がしてます。
見えない仕組みナビゲーター・真起子
「宇宙からのメッセージを受け取るコツのセミナー」