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大河ドラマ「篤姫」で、おーーっ!と思った場面です。





第49回「明治前夜の再会」


西郷率いる官軍の江戸城総攻めは取りやめになったが、幕府と大奥は江戸城を明け渡すことになった。

1カ月の間に、全ての女中の行き先を決めてやり、天璋院自身も荷物の整理をする。

天璋院が大奥を去るその日がきて。

豪華なお籠を前に、眉間にしわを寄せる天璋院。

お送りするため並んで座っている女たち。

滝山の前で立ち止まって座り。



天璋院「滝山…」

滝山「はい」

天璋院「まことの気持ちを申せば、私は無念でならぬ。私の代で、この城を明け渡さねばならぬなどと…」

滝山「恐れながら、天璋院様なればこそ、こたびのこと乗り切ることが出来たのだと、私は、思っております」

天璋院「私、なればこそ…」

滝山「大奥を統べるのが他のどなただったとしても、こうは運びませんでしたでしょう」

天璋院「大奥を閉じるのが、私の役割であったと、申すか」

滝山「はい。あなた様は、選ばれしお方だったと存じます」

 「自らの運命を知った大奥が、あなた様を、ここへ呼び寄せたに相違ありません」

天璋院「大奥が、私を、呼んだ?」

滝山、手をつき「そのようなお方に、最後までお仕えでき、私は、これまでの大奥年寄りの誰よりも、幸せにございました」

深くひれ伏す滝山。



お籠に乗った天璋院、目に涙を浮かべ「滝山、息災でな」

見送る滝山は笑顔で「天璋院様こそ、幾久しく、お元気で」

お籠が大奥を出たのを見届け、涙を流してひれ伏す滝山。




滝山さん(稲森いずみさん)は、大奥の女中のトップ、お年寄りの地位にあるキャリアウーマンです。

16歳で大奥に入ってずっとそこで暮らしてた人。

大奥に入るには厳しい審査があるそうで、入れると、どんな商家に奉公するよりお給料が良かったらしい。

しかも、もし公方さま(将軍)のお手がついたら昇進して個室をもらえる。

つまり、女性には憧れの職場で、そこのトップがお年寄り。




そのトップの大奥年寄り・滝山を演じた稲森いずみさんが、見事にはまってました☆

大奥の女中たちの中で一番綺麗で出来る女という感じだったし☆

この、バリバリのキャリアウーマンの滝山さんに、こういう台詞を言わせるなんて。


脚本家の田淵久美子さん、やるなー!



この場面を初めて見たのは、たぶん、放映終了のすぐ後だったと記憶してます。

この「大奥が自らの運命を知って篤姫を呼び寄せた」というのが気になって、いつかちゃんと見ようとと思ってました。




実は、ドラマの最初、第1回「天命の子」で、ちゃんと伏線がありました。


母のお幸さんがまだ妊娠中、屋敷の縁側でいきなり倒れ、気を失う。

ふと目覚めると誰もいなくて、庭を見ると。

見知らぬ修行者みたいな男が左手に杖を持って立ち、お幸さんを見ている。

右手を真っ直ぐお幸さんに向け。

「その娘を、江戸を連れて参る」

え!?と驚くお幸さん。

お腹に手を当て「あなたは娘なの?」

また気を失い、目が覚めたら皆が心配そうに見ていた。



やっぱり、篤姫は江戸へ行って大奥に入る者として生まれた、という設定なんですね。




この不思議な話を、本家の養女になった篤姫が将軍家の御台所になることを知って、お幸さんがやっと夫・忠剛に語ります。

第11回「七夕の再会」

忠剛「そんなことがあったのか…」

お幸「あの子は、私達が一時、天から預かった子なのやも知れませぬなぁ」

忠剛、何度もうなづき「そうかもしれんな」

 「それにしても…、江戸か…、遠いのうー」

お幸「遠うございますねぇ」




やっぱり、天命の子、なんですね、ドラマでは。

でも、生まれる前の記憶がないだけで、誰しも天命を持って生まれるわけで。

それが目に見えて大きい事を成す人もいれば、日常でその人にしかできない事を成すこともあり。

天命の子、というと特別な人、みたいな印象だけど。

天命、やること、やるべきこと。

それは、一人一人が持っている。

そんな気がしてます。






見えない仕組みナビゲーター・真起子
「宇宙からのメッセージを受け取るコツのセミナー」