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大河ドラマ「篤姫」、母の教えの続きです。

教えは3つあり、2つ目と3つ目は於一(篤姫)が生家を出る前に伝えられてます。



第7回「父の涙」。

島津の4分家の者が新藩主・島津斉彬にお目通りし、成長した於一の真っ直ぐな物の言い方が斉彬の目に留まる。

養女に迎えたいと言われ、喜んで承諾する父・島津忠剛。

いよいよ養女となるため城に上がる前夜。

家族で別れの宴、父は気恥ずかしくて何も言えず狸寝入り。

母・お幸が於一に話しだす。



母「そなたはこれから、多くの家来の上に立たねばなりませぬ」

於一「はい」

母「昔から、一方聴いて沙汰するな、という言葉があります」

 「どんな人の声にも、満遍なく、虚心に耳を傾け、その人その人の身になって、よくよく考えるのです」

於一、黙ってうなずく。

母「それでも思い迷うたら」

於一「迷うたら?」

母「考えるのを、やめなさい」

於一「考えるのを、やめる!?」

母「考えるのではなく、感じるのです」

於一「感じる」

母「自分を信じて、感じるがままに任せるのです」

於一「自分を信じて、感じるがままに任せる」

母「そうです」

於一「わかりました」

母「そなたの母でいられるのも、今宵限りじゃな」

於一「母上!」




どちらの言い分も聞く。

自分が感じていることをつかみ、それに従う。

この教えが篤姫を実際に導いていく。




第15回「姫、出陣」

江戸の芝にある薩摩藩邸に入った篤姫。

斉彬の息子・虎樹丸が幼くして急死、斉彬も急な病で危篤。

同じ江戸の高輪に斉彬の実父であり前藩主である業興と側室・お由良が住み、久光を藩主にしたいお由良の呪詛だと噂が。

一方聴いて沙汰するな、と教わった篤姫は、本当に呪詛など出来る人なのか、相手の言い分を聞こうと業興とお由良に会いに行く。

率直に呪詛の噂を伝えるが、お由良を溺愛している業興は、こいつは優しい女だ!と怒る。

お由良は涙ながらに否定するが、身に覚えがある様子で、篤姫は一瞬思案し、笑顔になって言う。


篤姫「よかった。そこまでおっしゃる以上、お言葉に嘘はないものと存じます。これで安心いたしました」

  「失礼の数々、どうかお許しくださいませ。芝の屋敷に戻りましたら、皆に伝えます。噂は根も葉もなき、全くの偽りにすぎぬと」

  「西郷」

西郷「はっ!」

篤姫「下々にはその方からしかと申し伝えよ」

西郷「はっ!承知つかまつりましてございもす!」


お由良、戸惑う。

さらに幾島(侍女)が、内緒にと断った上で、篤姫様は将軍家に嫁がれることを明かす。

業興とお由良、慌てて篤姫に向かって手をつく。

つまり、やがては篤姫の方が身分が上になるとわかり、2人はおとなしくなった。

その頃から斉彬は快方に向かう。



相手の言い分も聞こうと思ったら、相手の身分がどうあろうと実際に会わないと話にならない。
それをやってのける行動力と度胸はドラマの篤姫ならでは。




大奥に入った後に。

将軍の後継者候補、一橋慶喜と徳川慶福の2人にそれぞれ会ったのも。

井伊大老と2人で会ったのも。

一方聴いて沙汰するなの教えを守り、言い分を直に聴くため。




最終回・第50回「一本の道」

明治になり、天璋院篤姫に会うため江戸に来てくれた母と兄。


母「あなたもよく頑張りましたね」

天璋院「私(わたくし)にございますか?」

母「徳川宗家が今あるのは、あなたが力を尽くした故と聞きました」

天璋院「私は母上に教わりました」

   「己の役割を果たすこと。一方を聞いて沙汰しないこと。そして、考えても答えが出なければ、感じるままにせよ、ということを」

   「その教えを守ってきたからこそ、折々に、良き道が開けたのだと思うています」

母「その、あなたの母であることを、私は誇りに思います」

天璋院「母上」




感じるままに、というのは、まさに魂に従うということ。

リアル篤姫さんとリアル母上はどんな女性だったのかな。

素晴らしい母子だったんでしょうね。





見えない仕組みナビゲーター・真起子
「宇宙からのメッセージを受け取るコツのセミナー」