【映画】彼女がその名 を知らない鳥たち 役者さん編
まずびっくりしたのが「お芝居ってすげー!!!!」ってこと。主演の蒼井優ちゃんは、私がまだ小中学生?くらいのときに出てきて当時は恋愛コミックスの実写版とかに出てたので、ただただカワイイ子っていうイメージだったので、もう演技のすごさにびっくり。まず序盤のクレーマー十和子の神経質なしゃべり方。相手が地雷を踏んでしまった時の、あの人を責め立てるような口調。あのモードに入ると、相手が何を言おうとも全て逆効果なんですよね。教員時代のクレーム対応のことを思い出して心が苦しくなるほどでした。そして、話している相手によって表情を見事に使い分けているのがすごい。お姉ちゃんといるときは、自然だけど少し甘えた表情。特に、黒崎が失踪したことを十和子が姉に告げる時の、お母さんに話を聞いてもらってるときの子どものような表情は小さい子どものようで十和子の顔に目が釘付けになちゃいました。黒崎といるときは、恋する少女の表情。もう目がキラキラしていて、笑った顔には恥じらいが浮かんでる。十和子は顔が真っ白なイメージだけど、黒崎といる時だけは、顔がピンク色になってるように感じる。水島といるときは、女の顔をしてるけど、黒崎とのときとは違ってヌルっとしてて、いつメンヘラ発動するかこわい感じ。結局、陣治といるときの表情が一番自然なんだよな。たまに少しだけ笑うのも、陣治には愛想笑いする必要ないから心から笑っているだろうし。陣治もそれをわかっていて、ひどい言葉を浴びせられても「十和子を本当に幸せにできるのは俺だけ」って言えたんだと思う。あぁいうメンヘラタイプの女の子って、妙に外面はいいんだよね。黒崎の妻を訪ねたときの十和子には、モンスタークレーマーで陣治に暴言吐きまくってた十和子の陰は全く見られない。外面を繕ってしまうぶん、本音をぶつけられる身内にはきつく当たってしまうのだ。(私もそういう面があるからわかる。)そういう十和子という人間を、蒼井優ちゃんは見事に演じ切っていた。感服。そして蒼井優ちゃんと結婚できた山ちゃんまじでうらやましい。・・・((笑))阿部サダヲさん演じる、佐野陣治。劇中で、十和子から「種無し」と言われているので、最初は、男らしくない、という意味でとらえていましたが、「種なしじゃなかったら、きっと子どもをもった」と陣治自身も言っていたころから、おそらく女性を妊娠させる能力がないのだと推測される。阿部サダヲさんって、ハートウォーミングな作品に出演してるイメージが強いけど、狂気をも感じさせるような演技に鳥肌がたった。多分、会社とかでは、気が良いけどたまに熱くなりすぎるおっさん、って感じで、あまり主人公にはならないキャラ。ただ、そんな脇役的な人が、恋人のためにやっていたことを知っていくと、突然奥深い人間だということを思い知る。十和子が殺人を犯した記憶を思い出さないように、どんな暴言を吐かれても、十和子が笑って生きてくれることに、生きがいを感じる陣治。物語の序盤~中盤では、陣治が時折見せる不気味な挙動から、陣治が黒崎を殺ったんじゃないか?という疑惑が十和子の胸にも見る者の胸にも湧き上がってきます。ただ、最後に黒崎を殺したのが十和子だと判明した瞬間、今までの行動は全て十和子を守るためのものだったと悟ることになる。よく「どんでん返し」を謳ってる映画はありますが、じわじわとこみ上げる納得感とともに、陣治の愛のおそろしさが全身の欠陥にじわじわと染み渡っていくような感覚に襲われる。そして観たあと、その感覚がなかなか身体から抜けていってくれない。阿部さんの演技はあっぱれです。水島を演じた松坂桃李は、この映画の中では浮いてたかな~と思う。蒼井優ちゃんと阿部サダヲは、今時の俳優さん!って顔じゃないけど(悪口じゃない)、松坂桃李は、私の中でトレンド感のある人っていう印象が強いから、浮いてるように感じたのかな。十和子とホテルでキスするシーンで「あ~、って言って」っていうシーンがあるんだけど、なんかすごくサムいなって感じてしまって。他にも典型的な浮気夫要素満載だな(偏見です)って感じでまぁそういう演技であり演出であり、水島がサムかったからこそ陣治と十和子の関係性の特殊性が際立ったのかな~と思う。あと、黒崎を演じた竹野内豊は、正直、思ったよりおじさんになっててびっくりした。(笑)そしてイチローに似てると思った。(笑)見た目、仕事ができそうで思慮深そうな大人の男なのに、十和子のことを利用しようという魂胆が容赦なくみえみえだし、なんだか湿っぽくて気持ち悪い。そして多分十和子は自尊心低めだから、誰かに頼られると、それが見せかけの愛だとしても言うことを聞いちゃう。それをわかってて、利用する黒崎にはマジでイライラするけど、ここまでやらないにしてもこういう男っていっぱいいるんだろな~って感想。次回記事では、映画の中での疑問点と自分なりの考察を書きたいと思います。