米、リムパックから中国締め出し 南シナ海の軍事拠点化問題視 世界最大規模の海軍演習

1月に撮影された南シナ海のジョンソン南礁。中国が軍事拠点化を進めている(タインニエン紙提供=共同)

 

 

【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省のローガン報道官は23日、米海軍が各国海軍と太平洋のハワイ沖で今年予定している世界最大規模の海軍演習「環太平洋合同演習」(リムパック)に関し、中国海軍への招待を取り消すと発表した。中国が南シナ海で人工島の軍事拠点化を続け、「地域を不安定化させているため」としている。

 

 リムパックは2年に1回行われ、日本の海上自衛隊も毎回参加。中国海軍は2014年に初参加した。今年のリムパックには昨年5月の時点で正式に招待されていたが、中国による南シナ海などでの覇権主義的な行動を問題視する米国の対中強硬派の間で「中国を演習から締め出すべきだ」との声が上がっていた。

 

 ローガン氏は声明で「中国は米国や世界への約束に背き、スプラトリー(中国名・南沙)諸島の軍事拠点化を推進している」と非難した。