僕は今日、啓示夢のようなものをみた。
その夢の内容は、以下の通りである。
夢の中の僕は、人生に疲れ果てていた。
疲れ果てながら、まるで亡者のように見知らぬ街を徘徊していた。
徘徊はショッピングモールへ続き、そこで僕は良く知っている人を偶然見かけた。
その人というのは、僕の元カノであった。
心臓に槍でも刺さったのかと思うほどの衝撃の後、僕は現在の自分を誇ることができなくて恥ずかしく思った。
希死念慮に恥ずかしさが加わり、僕はモールに敷設されている机の上で項垂れた。
どうしてこうなったのだろう、どうして産まれてきたのだろう。
こんな苦しみを抱えながら生きる位ならば、いっそ僕は産まれたくはなかった。
無様にも、そんな抑鬱とした混沌が頭の中で激しく暴れ回っていた。
そんな時、「カサ」という近くで手紙のようなモノが落ちる音がした。
頭を起こして、僕はその音の在り処に視線を落とした。
眼窩に捉えたものは、正しく手紙であった。
そしてその手紙は、僕の良く知る彼女が以前文通で使用していたものだった。
僕は、勢いよく辺りを見回したが其処に彼女の姿はなかった。
暫く沈黙した後、僕は真っ新な気持ちでその手紙に向き合おうと決意し、手紙を開いた。
そこに書かれていたのは、これからの僕を導いてくれるような啓示そのものであった。
まず第一項目に書かれていたものは、良く睡眠をとることだった。
彼女の文章で作られており、僕はその言葉一つ一つを純粋に受け止めた。
他にも沢山、啓示が書かれていたが今僕が思い出せるのは「良く睡眠をとること」それのみである。
そして、この夢は僕が手紙を読んでいる途中で終わっている。彼女の手紙をまだ全て読み終えていないのだ。
この夢は、正直に言って分からないことばかりだった。
彼女の文章には、普段僕が使用しない学んでいない言葉があったのを朧気に覚えている。
だからと、神秘に自惚れていたいわけでもない。
分かることは、僕がその夢を見た後すぐさま部屋の掃除をしたことくらいだ。
腐っては居られない。格好よく生きていよう。自分が自分を好きでいられるように。
大切な人ができたとき、自分がその人を守れるように。