普段争い事から離れよう離れよう
としている僕が、とうとう電車の
中でバトルしてしまった。

僕の通勤電車経験から言えば、
全く混んでいる部類でないのに
全く身に覚えのない理不尽な
悪意の肘押しを受けたのだ。

これを今までどおりに甘んじて
我慢するにはあまりにも悪意が
あり過ぎだし、ここまで押され
るほど混んでいない。

肘を肘ではらった。

肘を肘ではらったのを
倍の勢いの肘で返してきた。

それをまた、さらに倍の勢いで。。。
と肘バトルを数回繰り返して、

「押すなよ!」

「混んでるから仕方ないだろ。」

「そこ空いてるじゃないか。」

「うるさいなあ。混んでるから仕方ないだろ。」

と口バトル開始となったのだが、一旦、
刀を抜いたら、なんと鞘に収めるのが
難しいのだろう。

今更謝って欲しいわけでもなく。
でも、プライドとして言わざるを
得ないだろう。こんな男の近くに
来たことが不運であり、事故だ。

「何が気に入らないか知らんが、
 明らかに悪意を感じた。
 おまえが一番わかってるはずだ。
何を言おうがお前が悪い。」

ため息の口バトルだ。

しばらくして、
相手が懸命にバカにした顔して、
「あーほぅ。」
と言うのを見て、力が抜けた。

こちらも懸命に
まるで子供の喧嘩のようだな。
とあきれた顔しながら、
苦笑して、背を向け、矛を収めた。

最悪、電車から降りて殴りあいまで
想定していたが、「あーほぅ。」に
救われた。

大人しく暮らしているつもりなのだけど、
何かしら、気に入らなく思う人もいるん
だなあ。
反省しようもない、悲しい現実だった。
まあ、一日気分が悪かった。