僕が小学校低学年くらい頃。

僕のおふくろは親父に隠れて
煙草を吸っていた。

僕の前ではどうどうと吸っていた。
それが嫌いだった。

あるとき親父に見つかった。

ちょうどおふくろが親父に見つかった
ところを僕も見てた。
おふくろのやばいという顔から
開き直った顔に変化したのも見た。
ますます嫌いになった。

しばらく2人とも競い合うように
たばこを吸ってた。
そういう風に見えた。

あるとき おふくろが競争に負けたか
のように たばこをやめると宣言した。
なぜだか おふくろを少し好きになった。

そして、おふくろは完全にやめた。


.....



ある夕飯時におふくろが
「ごはんがとってもおいしいわ。」と言った。
皮肉たっぷりな言い方だった。

「煙いからあなたも煙草やめたら。」と
少し強い口調で言った。

突然の物言いに
親父は はぁ? というような顔をしていた。

それを聞いて 勝手に目から鱗が落ちた僕は
ますます おふくろが好きになった。



僕は一度もタバコを吸ったことがない。