朝、5,6羽のカラスの小集団がゴミ
集積所のゴミを漁っていた。
これから学校に行くのか、小さな女の
子が道を通ることができずに困った様
子だった。怖くないと言い聞かせなが
らも、怖い気持ちは致し方なく、どう
しようという顔をしていた。
僕は少し懐かしい気持ちになったんだ。
そんな女の子を横目に、僕は普通に、
いや普通よりはちょっと猛々しくカラ
スの乱痴気騒ぎの中へと歩いていった。
カラスたちは、たわいもなく「カァー。
カァー。」と文句を言いながら、頭上
の電線に撤退していた。
電線に止まって、まだ騒ぎ続けているカ
ラスたちはくちばしに食べカスをいっぱ
いつけていて、品のかけらもない。
僕は顔をしかめた。
僕は振り返って格好をつけながら、女の
子に さあ、どうぞ。ってしてみた。
女の子は少しためらっていたけど、こち
らに向かって駆けてきた。
ぶっきらぼうな上目づかいで僕をじっと
見ながら近づいてきて、僕の前で少しス
ピードを緩めたんだけど、そのまま駈け
抜けて行った。僕を振り返り振り返り駆
けて行った。
僕は呆然と行ってらっしゃいという感じ
で手を振ったんだ。