学生も終わりの頃、やっと手に入れた車は
ボロボロでした。四角い目をした中古のシ
ルビアでした。普通の車の1速のところが
Rなのがちょい違っている感じでよかった。
でもそのおかげで、人の車を運転するとき
は1速に入れてバックをしようとしてしま
い、おいおい。勘弁してよ。と怒られると
いうことをよくやった。
ちょい違っているんだという感じを醸し出
しながら、わりぃわりぃ。僕の車はバック
だからさー。と言い訳した。
別に動けばなんでもよかった。いつも一人
で乗りまわした。違反も良くした。アチコチ
ぶつけた。
車を運転するほとんどの時間、カーステは
テレサテン・ベストのテープをエンドレス
にした。声が大好きだった。
車のテーマソングは勝手に「つぐない」に
決めていた。気分が高まってきたときに、
ちょうど「つぐない」のイントロがかかる
といい事がありそうな気がした。
学生も終わるような終わらないような、ど
っちつかずで何をやるにしても、気だるげ
な感じのしていた、夏の終わりの暑い日だ
った。
近くの緑地公園で高校のときのサッカー部
の奴らとお遊びサッカーをした後の帰り、
駐車場の料金を払って、堤防沿いの道を軽
快に走ろうとしたその時に、
チュルチュルチュルとその愛着テープが擦
り切れてグジュグジュにからまった状態に
なった。
車を止めた。
サッカー後の自分の汗臭い匂い。ハイパワ
ーで稼動しているエアコンの饐えたような
カビくさい匂い。顔に感じるじりじりとし
た日差し。やりたいことなんて何もない。
だらだらした感じ。それらとともに、何か
が終わったような気がした。確かに夏は
終わりかけだった。無残なテープを見な
がら、しばらく放心してた。
窓に西日の当たる部屋は、いつもあなたの
においがするわ~。
あの匂いの記憶と気だるさは覚えているが
あのテープをあの後どうやって処分したの
か覚えがない。
ボロボロでした。四角い目をした中古のシ
ルビアでした。普通の車の1速のところが
Rなのがちょい違っている感じでよかった。
でもそのおかげで、人の車を運転するとき
は1速に入れてバックをしようとしてしま
い、おいおい。勘弁してよ。と怒られると
いうことをよくやった。
ちょい違っているんだという感じを醸し出
しながら、わりぃわりぃ。僕の車はバック
だからさー。と言い訳した。
別に動けばなんでもよかった。いつも一人
で乗りまわした。違反も良くした。アチコチ
ぶつけた。
車を運転するほとんどの時間、カーステは
テレサテン・ベストのテープをエンドレス
にした。声が大好きだった。
車のテーマソングは勝手に「つぐない」に
決めていた。気分が高まってきたときに、
ちょうど「つぐない」のイントロがかかる
といい事がありそうな気がした。
学生も終わるような終わらないような、ど
っちつかずで何をやるにしても、気だるげ
な感じのしていた、夏の終わりの暑い日だ
った。
近くの緑地公園で高校のときのサッカー部
の奴らとお遊びサッカーをした後の帰り、
駐車場の料金を払って、堤防沿いの道を軽
快に走ろうとしたその時に、
チュルチュルチュルとその愛着テープが擦
り切れてグジュグジュにからまった状態に
なった。
車を止めた。
サッカー後の自分の汗臭い匂い。ハイパワ
ーで稼動しているエアコンの饐えたような
カビくさい匂い。顔に感じるじりじりとし
た日差し。やりたいことなんて何もない。
だらだらした感じ。それらとともに、何か
が終わったような気がした。確かに夏は
終わりかけだった。無残なテープを見な
がら、しばらく放心してた。
窓に西日の当たる部屋は、いつもあなたの
においがするわ~。
あの匂いの記憶と気だるさは覚えているが
あのテープをあの後どうやって処分したの
か覚えがない。