
北森 鴻
狐罠
骨董の世界。全く知らない世界の話でありますが、
それゆえに面白い。ぺダンチックな書かれ方に魅
せられる僕です。
近代科学分析を上回る贋作者の手腕の痛快さや、
真贋を見分ける論理とゲーム的なところや、美に
対峙する人のプライドなど、読み物としてとても
面白いのですが、美の世界は魅力的な反面とても
胡散臭いと益々思いました。
相場の落としどころがあるのが不思議です。美の
世界の奥深さなのか、危うさなのか。全く持って
訳が解りません。感性の匙加減とは感じるものの、
人間の心の奥底に何かしらの基準があるのでしょう。
僕は物にこだわりが無い方なのです。物にこだわり
の無い人間はだめだ。と先輩にダメだしされたことを
この本を読んでいて思い出されました。
かっこいいなあと思った分相応の値段のものは、
こだわりを持って買っていこう。と改めて思った
次第です。