大槻 ケンヂ
リンダリンダラバーソール


バンドブームに翻弄された若者たちの話であります。
僕が言うのもなんですが、なかなかの文才でおもし
ろく読めました。

僕は芸術肌の表現者の恍惚具合が馴染めず、どちら
かというと職人系の気質でありますので、バンドの
パフォーマンスや音楽が奏でる青臭い言葉に、場合
によっては噴き出してしまいそうになるところがあ
ります。なるほどねぇ。と思いますが、自己顕示欲
のなせる業とおいしい思いもしたのでしょうから、
対経済社会とやりたい事の矛盾、得体のしれない世
間というものの裏切りなどはいた仕方のないところ
ではないんでしょうか。などと、全体的な共感は薄
いところです。

しかしながら、その青臭い言葉を実は待っている部
分も僕にはあり、誰しも持っている不安と悩みの中
で、TPOによって、素直になれよ。と言われれば、
素直になろうかな。と思い、自分のままでいいんだよ。
と言われれば、励まされたりして、音楽の力はたい
へん評価しています。その音楽で表現できる人た
ちを羨ましく思いますし、熱いその気持ちを僕たちに
訴え続けて欲しいとも思っていますので、結末はと
てもいい感じだと思います。


恋人のコマコが登場する部分がとてもよかったです。

人は見かけが老いていき、それにともなって仕方な
く変わっていくのだろうけど、見かけではない根っ
この部分はそんなに変わんないじゃないでしょうか。
変わったつもりでいるだけで、僕は今だって大勢は
高校生の頃と何ら変わっていない。変わらない心地
よさというのもあると思います。