「そういえば、君には他人の幸福なんて面白くないって、言われたね。」
幸福そうににっこり笑って言われた。君の横には彼氏がいる。
ああ、そうだった。でも、僕の中ではそう言われる可能性は0.0000001%
くらいと分析済みだったのに。
私、彼氏ができました(はぁーと)。
と恥じらいながら発表している君を
みんながおーっ。とか、めでたいめでたい。
拍手しながら囃し立てる中で、
「人の幸福なんて、面白くともなんともないけどね。」
と言ってしまった。
ぶっちゃけるなあ。とフォローがあったものの、
瞬間的な冷却を感じた。しまった。失言であった。
まあ嘘はいけないので、今の普通預金の金利パーセンテージ分の
そんな気持ちがこもっていたとしても、そして、たぶん、現在進
行形で幸福気分の君のその耳たぶがクッションとして、少なく見
積もってもさらに5桁分の差し引きがされていだろう分の気持ち
がこもっていたとしても、僕は君の幸福そうな恥じらいを確かに
祝福していたのだ。みんなの余裕のなせる幸せ談義。自分だけ取
り残されている感。この場の雰囲気の居たたまれなさを何とかし
ようと、瞬発的なもがきから思わず出た言葉と自ら分析し、それ
にしてもこんな言葉しかでないかね~。と苦笑交じりに心の中で
思っていた。
そんな場面を思い出した。
言葉をそのまま受け取ってもらっても困る。
まったくの誤解だ。といっても仕方ないね。
それにしても覚えているもんだね。
「うん。そうそう。他人の幸福って見せ付けられると困る。」