読者からのご質問:「自然な彩度」と「色相・彩度」の違い〜クリッピングを最小限にする〜 | まきのゆみの Adobeデザインソフト マスター教室

読者からのご質問:「自然な彩度」と「色相・彩度」の違い〜クリッピングを最小限にする〜

みなさんこんにちは。
アドビ認定インストラクター・まきのゆみです。


今日はあいにくの雨ですが、
涼しくて過ごしやすい一日です。
7月もどんどん過ぎていきますね。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?


さて、本日は、
Photoshop しっかり入門の読者の方より、
以下のようなご質問がありましたので、
回答したいと思います。
このたびは、拙著をご購入頂き、誠にありがとうございます。

Photoshopしっかり入門


?6Lesson3-7 色相・彩度を調整する[色相・彩度]

P59の「ここも知っておこう!:自然な彩度」
下から2行目の
「クリッピングが最小化されるようにカラーの彩度を調整」
とは、どういうことですか?


ご質問ありがとうございます。
こちらLesson3-7では、
彩度調整をする時に主に使う
[色相・彩度]について解説しており、
その補足として、同じく彩度調整機能を持つ
[自然な彩度]について
記載しております。


まず、ご質問の中にある
クリッピングとは、
階調(色や明るさの調子)を失うことです。


彩度を上げ過ぎると、階調を失う傾向があります。
また、もともと彩度が低い箇所(人肌など)の彩度が上がると、
過剰彩度になり不自然になるわけです。
この現象を最小限にする機能が[自然な彩度]です。
「クリッピングが最小化されるようにカラーの彩度を調整」
とは、
「できるだけ階調を失わないように彩度を調整」
することだとお考え下さい。


ここで、[色相・彩度]と[自然な彩度]
両者の違いをまとめておきましょう。


■色相・彩度
画像全体の彩度を調整します。
→調整したくない箇所の彩度も、過剰に上がることがあります。

■自然な彩度
できるだけ階調を失わないように彩度を調整します。
→調整したくない箇所を避けて、彩度を調整します。


例えば、こちらのケーキの彩度を調整してみましょう。
極端ですが、わかりやすく
彩度を最大の100にして、
違いを見てみましょう。

<元画像>ケーキ元画像


■色相・彩度
彩度を上げたことにより、
階調を失っています。

ケーキ色相彩度1

ケーキ色相彩度2


■自然な彩度
階調を失う現象を抑えつつ、
ほんのり彩度を上げています。

ケーキ自然な彩度1

ケーキ自然な彩度2


次に、人物写真を使って、
違いを見てみましょう。

<元画像>
元画像


■色相・彩度
全体的に彩度が上がります。
人肌にも影響が出ます。

色相彩度1

色相彩度2


■自然な彩度
もともと彩度が低い箇所を避けて
彩度調整されます。
人肌や髪の毛は抑えて、
ほんのりTシャツの柄の彩度が上がり、
良い感じに。

自然な彩度1

自然な彩度2


こう見ると、[自然な彩度]の方が有能なのではないか?
。。。と思われるかもしれませんが、
これは画像の特性によります。


目安としては、
人物が含まれない画像や、全体的に彩度を上げたい画像は、
[色相・彩度]を使ってみましょう。
自然などの景色や野菜・果物など、
全体的に彩度を高めにしたい場合などです。
このような画像の場合、[自然な彩度]を使うと、
ほんのりとした彩度調整が控えめに感じるかもしれません。

人物が含まれる画像や、過剰彩度を避けたい画像は、
[自然な彩度]を使ってみましょう。
より自然な彩度調整ができます。


なお、[自然な彩度]にも[彩度]のスライダーがあります。

自然な彩度3


こちらは、[色相・彩度]の彩度調整と同様、
画像全体に対して調整するものですが、
画像によっては、[色相・彩度]よりも
バンディング(濃淡の縞模様)の発生を抑えることができます。



また、より細かく部分的に彩度調整をするには、
選択範囲を作成します。
手軽に大まかに、ということであれば、
[スポンジ]ツール(本書P61参照)を
使ってみても良いでしょう。


目安を参考にし、画像の特性に応じて、
好みの仕上がりにしましょうね^^


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