今でも電車に雑誌は落ちてますか? | ここだから書けること 誰かに話したいこと

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WEB日記ネットで知り合った歳の離れた奥さん(ゆーちゃん・おかー)と、娘たち(長女:しぃちゃん。次女:ひぃひ)との4人家族の日記です。基本、親バカです。完全にバカ親です(汗。本音だけを書いてるので、どうか奥さんに見付かりませんように…(祈

唐突に昔の話。


高校を卒業し、大学が始まるまでの春休みに初めてアルバイトをした。
電車に乗って2駅隣の街の大きなクリーニング工場だった。


俺は高校も自転車通学だったので、初めて持った電車の定期券がなんか妙に嬉しかったのを覚えている。


アルバイト初日が終わり、駅で電車を待っていた。
やっぱり初めてのバイトだったので疲れたので

例え2駅・・・時間にして10分ほどの間でも、出来れば座りたいなぁ・・・と思っていた。

その駅はそこそこ大きな駅なので、多数の人が降りて来るであろうことは予測が出来た。

俺は駅のホームで、列の先頭で電車が入って来るのを待っていた。

絶対に座るぞ!の心意気を持って。



電車が来る直前に、「・・・により5分ほど停車します・・・」 とのアナウンスが流れていた。
しかし、俺は疲れもあってか、ボーっとしていてアナウンスを聞き流していた。
どうせ急行や快速の待ち合わせで5分くらい停まるのだろう・・・くらいに思っていた。


電車が入ってきた。

扉が開いた。

乗客がたくさん降りて来た。


おーっ すげー降りてきた!

これだけ降りてくれば座れそうだ♪



降りる人たちがいなくなったので、俺は電車に飛び乗った。

さあ、空いたところに座るぞ!!

と思ったら・・・


車内はガラガラだった。

なんだ、そこまで気合を入れる必要は無かったわ。


楽勝。


これなら好きな席に座れるし。



俺の乗った電車はベンチシートタイプではなく、ボックスタイプの4人掛けの座席の車両だった。


俺はボックスシートに座って足を伸ばそうと考えた。
フと座ろうとしたボックス席の上を見ると、網棚に漫画雑誌が置いてあった。

俺は少しあたりを見回した。


誰もいなかった。

ラッキー♪と思ってその漫画雑誌を拾った。


さらに周りを見てみると
他にもスポーツ新聞やら漫画やら雑誌やらがいくつも捨ててあることに気付いた。

しかもその車両(俺の周り)に他の乗客の姿はない。

これはチャンス!

他のお客さんが乗ってくる前に拾っておこう!

家に帰ってゆっくり読もう!


アルバイトを頑張ったご褒美だ♪なんてことを思い、俺は新聞・雑誌を拾い集めた。



あっという間に両手で抱えなければ持てないほどの量になった。

分別して持って帰る物と捨てていくものに分けよう!


大漁♪大漁♪


と、喜んだそのときだった・・・



<プシュー バタン>



車両のドアが閉まった。


え?!
まだ絶対に5分は経っていないし、発車時間ではないはずなのに・・・

どういうこと???



冷静になって周りを良く見ると・・・

俺の乗っている車両は「空いている」どころか、乗客が誰もいなかった。

さらに良く見ると、前の車両にも後ろの車両にも俺以外の客は誰一人乗っていなかった・・・

これ、やばいだろ・・・(汗



駅のホームに再びアナウンスが流れた。

今度は耳を凝らして聞いた。



「4番ホームの列車はうしろ5両の切り離し作業のため、出発までもうしばらくお待ち下さい・・・」


そうです。
急行待ちとかで停まっていたのではなく、車両の切り離し作業のために停まっていたのです。


そして俺は今まさに、その「うしろ5両」のうちの1両に乗っているんだな・・・うん。


状況把握完了・・・( ̄^ ̄)



ということは・・・


大ピンチじゃないですか!
ヤバ過ぎ!!


俺はこのまま列車と一緒に車庫に行っちゃうのだろうか・・・(あぶら汗



もう開くことのないドアの前に立ち、呆然とする俺。
立ちすくむ俺。


「キミ・・・どうしたの?」


誰もいないはずの車内で人の声が聞こえた。

空耳か。

幻聴か。


もはやそこまで追い込まれているのか・・・



肩を叩かれた。

まぼろしではない、実在する人物だった。 ←当たり前


振り向くと、そこには車両の点検に回ってきた車掌さんがいた。

「キミ・・・どうしたの?」と改めて俺に一言。


焦った俺がとっさに出した言葉。


「あ・・・すいません。ちょっと寝過ごしちゃって・・・」


両手には大量の新聞と雑誌。



「あ、そうなの・・・(苦笑)。・・・じゃあこっち来て。」


俺は言われるがまま、車掌さんについて行った。
そして、切り離された車両の先頭車両の運転席に通され、そこのドアからホームに出してもらった。


「今度から気をつけてね」

「は、はい・・・今度からは寝過ごさないように気をつけます!」


両手には大量の新聞と雑誌。


なんか、よくわかんないけど・・・

降りたホームの目の前にあったゴミ箱に、その雑誌と新聞を全て捨ててしまいました。


そして、全力で走って一番遠くの車両に乗りました。


あれは人生で1、2を争う恥ずかしさだったなぁ・・・(苦笑)


・・・

・・・

・・・


両手いっぱいに絵本を抱えてるしぃちゃんを見て思い出したお話でした・・・あせる