朝日新聞の記事から。
11月8日の、勝間和代さんの記事です。
自分の失敗の言いわけを、力不足とすることも多いが、本当は努力不足だったのですね。
原因は能力にではなく努力にある――ワイナー「達成動機づけの帰属理論」
2010年11月8日10時9分
米国の心理学者、バーナード・ワイナーは、成功への意欲がある人とない人の違いを「達成動機づけの帰属理論」にまとめました。
人の行動には「成功しようとする行動」と「失敗を避けようとする行動」があり、その二つは反発し合っています。
目標を達成しようとする意欲に満ちた人、つまり「成功しようとする行動」をとる人は失敗を恐れません。逆に、失敗を避けようとする人は、成功しようとする行動をとりません。
ワイナーは、成功志向の動機が強い人と、失敗回避の動機が強い人の違いを、成功と失敗にまつわる四つの要因を示して分析しました。その要因とは(1)本人の「能力」(2)本人の「努力」(3)チャレンジした課題の「難易度」(4)「運」――です。
成功志向の動機が強い人は、成功したとき、その理由を、自分の努力のたまものと考え、失敗したときは、その逆に、努力不足が原因だと考える傾向があります。一方、失敗回避の動機が強い人は、成功しても、その原因を特定せずに運まかせのように考え、失敗したら、自分の「(先天的な)能力不足」を理由にする人が多いのです。
成功への意欲が足りない人は、失敗の原因を、やる気さえあれば誰にでも取り組める努力の問題にではなく、どうにもならない能力の問題に帰することで、努力しなければいけないというプレッシャーを打ち消そうとするのです。
また、成功志向の動機が強い人は、成功率50%程度のチャレンジを好み、失敗回避の動機が強い人たちは、成功率が50%よりもかなり高いか、逆にかなり低いチャレンジを好む傾向があることも分かりました。
成功動機が強い人は、実力に相応の課題を選び、運に頼らず成功を求めるのに対し、失敗回避の動機が強い人は、実力に相応の課題だと、失敗したときに自己責任を問われるので、とても簡単な課題か、逆に超難題に挑んだ方が気が楽なのです。
過度な努力至上主義は危険です。だからといって、すべての失敗を「能力不足」や「課題の難しさ」にしていると、知らず知らずのうちに、意欲的でなくなってしまいます。
まずは自分が努力しているかどうか、疑ってみることです。
(経済評論家・公認会計士)
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出典 ワイナー著「ヒューマン・モチベーション 動機づけの心理学」(金子書房)