昨年は百火繚乱の台頭と紅葉史上最強ギルドであったDreamerが解体し、その後継ギルドCarnageとの戦いにより動いていった紅葉の扉の攻城戦。
2012年に入りこの勢力図にどう変化が起こるかが注目されていた中始まった2012年最初のチェセバ砦。
2012年の開幕の城主を奪取したのは、大方の予想を裏切る伏兵鳳蝶でした。
さらに次週は昨年終盤頃から本格的に砦を戦うようになったCarnageが奪取するも、その翌週には再び百火繚乱が奪取し2011年の後半を引っ張っていったその強さを見せつけます。
1月の砦は相変わらず百火繚乱が最大勢力として君臨し、対百火繚乱の最大勢力としてCarnageが戦うという構図になっており、土曜の城では逆の構図でしたが、この時期土曜の攻城戦の対Carnageの最大勢力は鳳蝶となりました。
1月1週に砦を奪取した勢いをそのままに鳳蝶はこの時期課金を開ける者が多く、Carnageを何度か苦しめる状況も見られましたが、攻め側の課金者の数に合わせて毎回それ以上の課金者を動員できるCarnageの牙城を崩すには至らず、あえなく退けられることとなります。
そのため城主が動くのはもっぱら砦のみと考えられており、今年も百火繚乱とCarnageの激闘が繰り広げられるかと思われましたが、2011年末頃からギルメンの離脱が相次いぐ百火繚乱は大人数を維持するのが難しくなり、徐々に衰えが見え始めました。
この百火繚乱が衰退により最大勢力として君臨するようになったのはやはりCarnageでした。
Carnageは課金城と化した土曜の攻城戦では他を寄せ付けることない課金力で他ギルドを圧倒し続け、2012年もDreamer時代からほぼ変わらない独占状態が継続されます。
2011年の設立翌週から土曜の城は欲しいままにしていたCarnageでしたが、百火繚乱の衰退により2012年1月5週からチェセバ砦をも奪取したCarnageはナートル城と合わせて4城独占体制を築くこととなります。
2月に入り、百火繚乱は人数が大きく減り始め、逆にCarnage側勢力は人数が安定的に増大し、両者のミリタリーバランスは完全に逆転することとなります。
これによってアンチ百火繚乱に傾いていたギルドも、Carnage側勢力との力が開き始めたために、攻め側として支援するようになりますが、この時期から終盤の儀式合戦をCarnage側がサブギルドによる儀式封じを積極的に行うことで、それまでの砦での終盤のワンチャンスは無くなることとなります。
これにより終盤50分以降に城主が動くことはなくなり、攻め側の城主交代の期待感は奪われていくこととなります。
3月に入ると、ギルメン流出に歯止めが利かなくなった百火繚乱はその後解体となり、これによってCarnageに対抗できる唯一の単一ギルドが消滅することとなります。
代わってこの時期の日曜の砦の対抗勢力はBlack★Star、鳳蝶、Paraphiliaの3ギルドとなりました。
この中でBlack★Starが百火繚乱からの移籍者が多かったために、筆頭勢力となると思われましたが、思いの外人数を伸ばすことができずに、頭一つ抜け出すことはできませんでした。
そのため砦における対Carnage筆頭勢力というのは存在しなくなり、以後中規模勢力が形式上協力しあう形で攻城戦が展開されていきます。
その後しばらくの間はこの3ギルドでCarnageに対抗することはできましたが、単一ギルドでないために、連携の差で水を開けられる展開が多く見られることとなりました。
メイト戦では城主側が優勢ながらも、祭壇内部では人数の関係上優位に立つことが難しく、サブギルドの儀式封じに頼らざるを得なかったCarnage側は、安定政権を構築するために、その後メイト戦への比重を上げていきます。
攻め側ギルドは祭壇内部ではなかなか死なないものの、祭壇内部までたどり着くことのハードルを大きく上げることで、攻め側ギルドの戦意崩していくこの戦略は、近年の格差を生み出すアップデートの数々により、Dreamer時代では完全に成功させるまでには至りませんでしたが、Carnageは対抗勢力を減少もあり、徐々に効果を発揮することとなります。
その後4月に入り、元百火繚乱のメイト戦ができるギルメンで構成されたBULLDOGが傭兵につくようになり、メイト戦の人数が増大して、祭壇内部に戦力を回す余裕ができ始めます。
これにより祭壇内部では殴りキャラとブレスキャラの総攻撃で攻め側ギルドは生き延びることができず、メイト戦でもCarnage側が圧倒し続けるために、生き延びることができなくなる状態となり、攻め側ギルドの祭壇内部要員の戦意を徐々に奪い始めます。
砦は祭壇内部に入りさえすれば終盤の攻防でメイトが無くとも役に立っていた内部要員はその役割を発揮することなく、大きくやる気を削がれることとなり、これによって週を追うごとに攻め側ギルドの参加者は減少する傾向となり、人数の減少でますます不利な状況へと追い込まれていきます。
人数の減少により攻め側ギルドはさらに戦局が苦しくなり、4月の終わり頃にはCarnageの安定政権が完成されることとなりました。
状況を打開したい攻め側ギルドは、この時期台頭してきたANTHEM、鳳雛がメイト戦で著しい活躍を見せ、Carnageの安定政権に対して抵抗を見せます。
これにより一時期攻め側ギルドがメイト戦において優位に立つ時もありましたが、一定の人数を動員し続けるCarnage側に対して、週によって動員される人数に増減がある攻め側ギルドは人数が少ない時には劣勢に立たされ、戦意を長く保ち続けるのは難しい状況でした。
そのため城主側優位の状況が続き、6月に入る頃には傭兵のBULLDOGの人数の増加もあってその差は再び大きくなっていきました。
6月はその状況下が続いたために過疎化が進み続け、城主側の方が人数が多いことも見られることとなります。
結局安定政権を維持したままで上半期は終了し、Carnageの独占態勢は崩れる予兆の無い状況が継続している様子です。
2012年の上半期の攻城戦は、百火繚乱の解体により、残存勢力とCarnage側勢力との攻防となったイメージでした。
今日の状況を生み出したのはCarnageの最大の対抗勢力であった百火繚乱の解体が大きいですが、Carnage自身も安定して人数を動員し続け、また自勢力の強化や同盟勢力の動員、敵として戦い続けた旧百火繚乱の一部を味方勢力に引き込んだことなども今日の状況を作り出した大きな要因であると考えられます。
こういった体制を作り上げることで、戦っても勝てないと思わせる戦略は、支配を強めるために非常に有効な手段であり、現に攻め側ギルドの人数を減少させることに成功しています。
逆に言うと勝てるかもと思わせてしまうと、抵抗が起こりやすくなってしまい、いらぬ戦いを生むこととなります。
こういった芽を摘み取り続けるのがCarnageにとって今後の支配体制を盤石なものとするために求められる方向性と考えられます。
攻め側ギルドについては、各ギルド現状ではCarnage側と大きな戦力差があるため、今後考えられる有効な方針としてはギルドの統合もしくはさらなる連携の強化、叉は自勢力を増大させ頭一つ抜け出す勢力へと成長させることなどが挙げられます。
そして対Carnageにおいて一番の障壁となるのはギルメンの戦意の維持となります。
課金が永続的に続くCarnageと同じレベルで戦い続けるのは同じ水準で課金ができるプレイヤーでない限り非常に厳しいため、これが高いハードルとなってDreamer時代から多数の脱落者を生んできました。
そのため、参加勢力はギルメンの戦意をどう維持していて安定的な人数の動員ができるかがこれからも課題として残っていくでしょう。
ランチェスター理論における弱者戦略で必ず求められるのは戦力の一点集中です。
強大なCarnage勢力に対抗するには現在の戦力では、戦力を集中させその中でも弱い部分を狙って攻撃するより他にありません。
上半期の攻城戦では連携の失敗で城主奪取に失敗した場面も何度か見られました。
そういった少ないチャンスをものにするために、そういう連携ミスを減らしていくことが下半期の城主奪取に必要だと考えられます。
現在はCarnage に匹敵する単一ギルドがいないために、下半期もCarnageが安定して独占体制を維持する見通しです。
体制の完成により極相状態となってしまった紅葉の攻城戦において、Carnage政権を打倒する勢力は下半期には登場するのでしょうか?
一時的にでも城主奪取があれば、またギルメンのやる気にも繋がると思われるため、下半期に一矢報いるギルドの登場に期待したいです。