義母のタンスを移動させました。もう何年も開けていないタンス。
そーっと引き出しを開けると中に古い着物がたくさん入っていました。
義母は子育てに手が離れた頃から 公民館でお茶を習い始め
師範の免許も取ったそうです。私が嫁いだ頃には茶道の本を開く
義母の姿をよく見ていました。お茶の会にもよく出掛けていました。
ところが十年位前に お茶の席で倒れてから 徐々に関心が薄れ始め
ここ何年かは着物の入ったタンスさえ触れていません。
お茶の席が終わった後には いつも大事そうに着物の手入れを
している義母の姿を見ていました。
もう着物の袖に手を通すことも手入れをすることもないだろうと
着物が入ったタンスの場所を移動させることになりました。
私にも子どもの手が離れたら何か習い事を始めたらいいと
言っていました。でももうすっかりそのタイミングを外してしまいました。
タンスを移動させた時に 箱に入った袱紗がいくつも出てきました。
いつか私は義母にお茶を習いたいと思っていたのに・・・
背筋をピンと伸ばしてお手前の練習をする義母の後姿
あれから もう何年と経ったのに まだ瞼の奥に焼き付いてます。