娘の葬式の日が決まった

次の日、私たちは娘の棺に

いれるものを買いに行った。

 

ショッピングセンターには

悲しみのスイッチをいれる

ような物が沢山おいてあった。

 

ピンクの可愛いベビー服

小さなぬいぐるみ

誕生日カード、赤ちゃん用のおもちゃ‥

 

そういうものを見かける度に

辛くなってしまい、

結局買い物もそこそこで、

可愛いらしいレターセットだけ

購入して帰ってきた。

そのレターセットで娘にあてて

手紙を書こうと決めた。

 

棺には燃えるものしか入れられない。

 

半日かけて、娘に伝えたい

想いを手紙にしたためた。

 

私たちの写真もプリントした。

 

他に私が出来る事はなんだろう。

そう考えた時、日本の折り紙を

思い出した。

 

娘の手で握れる程度の

小さいうさぎを折り紙で折った。

又娘が生まれた日がひな祭りに近かった為、

小さいお内裏様とお雛様も折った。

 

娘が寂しくないように、

息子がまだ小さい時

日本で買ってきた、眠ってるトトロの

ぬいぐるみも入れることにした。

 

後は庭に咲いている花と、

沐浴の時に使う予定だった

小さなミニタオルもいれた。

 

棺に入れるものを用意していると、

不思議と少しずつ、

自分の気持ちが穏やかに

なっていくのを感じた。

 

息子は、息子が大好きな

スターウォーズのカードゲーム

を一枚だけ選んで入れた。

娘が大きくなったら、

一緒に遊べるねと言っていた

カードゲームだった。

息子が選んだのは

レイア姫のカードだった。

そこには

 

「きてくれてありがとう

だいすき」

 

と拙いひらがなで書いてあった。