と思ったで。」

今日のセリフの中で一番記憶に残ったのは、映画館を出る直前に聞いた、前から二番目の席に座っていた女の子同士のこの会話。
でもって、私の後ろに座ってたヤツ!
人の椅子、何回も蹴ってくれて、上映前のマナーフィルムのようにグーで殴ったろか、とマジで思ったで!

会社帰りに夜の8時から『ダ・ヴィンチ・コード』を観てきました。
内容は・・・まぁ、ダテに「失笑を買った」わけではないのだな、と。
私の評価はたいがい辛いので、実際には2割ほど差し引いて下さればよいかと思いますが、とにかく、今回は席がまずくて、とりあえず気分が悪かった。
いつも、ネットで予約していくのですが、上映館が小さかったせいもあって、ど真ん中のやや前側、スクリーンを少し見上げるような席で、CMのときからすでに、「あ~~~、なんか気持ち悪い~~~」。映画って、テレビと違って結構カメラワークが激しいじゃないですか。その上に、暗号ものっちゅーことで、伏線を表現するためにカメラが引いたり俯瞰したり・・・文字通り映画に酔ってしまいました。

ここから、映画に関する内容(ストーリーはネタばれナシ)

で、肝心の映画なんですが・・・ま、興味のある方はDVD、レンタルして下さい。金返せ、とは言いませんが、あえて大スクリーンで観る必要はないかな、と思います。
あれだけの内容を150分、てのは、思った通りムリがありました。何のためのトム・ハンクス?何のためのジャン・レノ??演技力も何もあったもんじゃなく・・・、いえ、二人が下手だとか言うんじゃなくて、延々謎の説明をし続けるもんだから、観ている方は俳優の演技や役柄の重みや内容の深さを堪能する余裕がないのです。まじ、あれだったら、もっとギャラの安い新人発掘した方が面白かったんじゃなかろうか。それから、すんごいロケしてるんですが、(ルーブル始め、世界遺産レベルの建築物がガバガバでてくる)どの建物も、現物以下の美しさ(並じゃない、以下)。二ヶ所だけ、「あ、このカメラワーク、いい」と思った箇所があるんですが、本当に、敢えてスクリーンで観るほどの映像じゃないな、と思いました。

ここまで読むと本当に酷評ですが、一番の難点は、原作読んでないとサッパリだろな、てとこです。なにせ、原作読んでても「え?ここってそういう解釈か」とか思いましたから。

<ここから、ストーリーのネタバレ込みです>

まず、すごく気に入ったカメラワークなんですが、一つは、「ロンドンに眠る騎士の墓」の謎解きで、トム・ハンクスが考えを巡らせる場面。あれはCGかな、と思うのですが、あのシーンはとても綺麗でした。後、もう一つは、ラストの、トム・ハンクスがルーブルのピラミッドにたたずむ場面。ガラスのピラミッドを真上から下へと抜けていく映像は、まさに”象徴的”だと思います。
でも、そこに隠されているものの意味が私が思っていたのと違ったのは、ちょっと違和感がありました。あれって、本当はそういう意味だったのかなぁ~~~?てっきり【文書】なんだと思ってたんですけど。
それに、携帯で図書館の資料を検索するっての、ムリがあるんじゃないの~~~。それもあれだけキーワード入れたら、全文検索で途方もない時間がかかると思うんですけど。PSPみたいな端末なら、まだしも、って思うんですけど、どうなんでしょうか、ねぇ。
それから、最後の方のトム・ハンクスのセリフ、かなりローマ教会意識してるような感じでしたけど。原作の扉に「全部、実在の組織で、学説に基づいている」とか書いてあるのに、エンドロールの最後に「フィクションです」ってのも、矛盾しているような気が・・・・・・。
まぁ、現実、本と映画は影響力も違うし、圧力も違うと思うので、仕方ないかとも思いますが。

もっと言いたいことはありますが、あんまり読んでも面白くないので、このあたりでやめておきます。(つか、ストーリー、捏造するのだけはして欲しくなかった、って思ってんですけどね、本とは)
同じような謎解きだったら、ショーン・コネリー主演の『薔薇の名前』の方が好きだな、と思いました。

結論・・・観に行くなら、原作は必読。
俳優や内容への過度の期待は禁物。