守
この大地に足つけて
「人間」なんていうちっぽけな職業もらって
俺は今何年働きつづけたんだ?
歳なんか数えりゃわかるが それ以上働いた気がしてる
この海から飛び出してきて
「命」なんていう一生の財産をもらって
俺は今何年守り続けてんだ?
胸に手をあてりゃ動いてることなんて分かるが ちゃんと守れてきたんかなぁ?
自分じゃない自分が
自分であろう誰かが
今も俺を苦しめる
「ネェ?イツニナッタラ気付イテクレルノ?僕ハココニイル」
俺はその声の主すら知らずに 今まで知らんふりしてきたんだ
「ネェ本当ニ?ホントニ知ラズニ生キテキタノ?」
違うよ違う 本当は知ってるよ
でも気付きたくないから 今まで知らんふりしてこれたんだ
弱いとか強いとかにこだわってる そんな自分が一番弱いのに
それに気付きたくなくていつだって見栄張ってんだ
今だってお前の前で「俺は強い」ってホラ吹いてる
だけど違うよ?ホントは違う
俺は強くないんだよ?俺は臆病なだけなんだよ?
「ネェ?イツニナッタラ気付イテクレルノ?僕ハココニイル」
今更になって気付いても もう手遅れだ
俺の知ってる声の主は 俺の知らないどこか遠くへ遠くの彼方へ
独りで列車の切符を持って 寂しがりやの俺を置いて去っていった
なぁ、俺は守れたんかな?守れてたんかな?
胸に手を置けば聞こえてくるけど そんなん全部偽者なんかな?
どこか大事な大事な声を俺は気付かんふりしてたんかな?
もし遅くなかったら もしまだ間に合うのであれば
そんな切符今すぐ捨てて帰っておいで
お前の分の布団と席はちゃあんと残して待ってるから
あいにく部屋は寒いだろうが 二人いれば丁度いいさ。
俺はあったかいお茶とあったかい毛布を用意して待っててやるから
なぁ、だから戻っておいで
今度こそ 今度こそ お前を守ってみせるから