自作小説 ~阿守蛇璃洲琥~ | 夢追人

自作小説 ~阿守蛇璃洲琥~

第三話     罪人


砂漠の町に警報が鳴り響く。


兄妹は苦い顔をする。


「・・・流石にやばいよ・・・。そりゃ逃げられるとこ逃げたいけど・・・・。


こんな数の兵士、体術だけじゃとても・・・・・・」


雷雲は兵士の数を数える。


「34・・・・39・・・・。だーーーーー!!!無理だっつの!どーすんだよ!」


雷雲は苛立ちの表情を浮かべ、頭を抱える。


・・・がその後ひらめいた!といわんばかりに雷雲は顔を上げる。


「・・・・あ!どうせなら術!!使おうぜ!」

「考えなよ・・・・・。術なんか使ったらこんなちっちゃい町ふっとんじゃうって。」


雷歌は呆れ顔で立ち上がる。


翡翠の眼光を天に向け、呪文を唱える。


雷歌は腕を天に翳す。


その瞬間、まばゆい光が町全体を覆う。


「兄さん!早く!」


雷歌は雷雲の手を引く。


雷雲は一瞬戸惑いの表情を浮かべるが、すぐに余裕の笑みを浮かべる。


「・・・っへ!結局術じゃネエか!」


そして雷歌に引きずられるように立ち上がり、雷雲は翼を広げる。


「おっしゃ!次は俺だ!掴まってな!」


「光が消える前にっ・・・!捕まるなんてごめんよ!!」


雷歌は雷雲を抱え、飛び立つ。


二人の眼下には多くの人々が目を眩ませ、ざわめいている。


 すると、よろける兵士を蹴飛ばしながら1人の大柄な男があらわれた。


「・・・兄さん、アイツ・・・・!!」


雷歌は血の気が引いた、というより血が凍った感覚に襲われる。


「にっ・・・・いさ・・・・・・兄さん!!!!早く・・・っ早く!!!捕まる所じゃない!!死んじゃう!!!」


さっきの雷歌の冷静な表情は失われ、恐怖に満ちていた。


「なっ・・・何いってんだ?下にゃ町人しか・・・・」


雷雲は真下に目をやる。


「っ・・・・!!」


雷雲は何も言わず、翼を大きくはばたかせた。


早く、早く。風を切りさかんばかりに早く。疾風のように空を飛ぶ。



町では皆が視力を取り戻していっていた。


兵士も目が見え、目の前のものを見上げる。


その人物の顔を見た瞬間、兵士の顔が青白く変わった。


「・・・・!ガウス殿っ・・・・・・!」


ガウスと呼ばれる男は不敵な笑みを浮かべる。


「っふふ・・・・あの二人はどうした?」


あの二人、というのは雷雲と雷歌のことだろう。


「もっ申し訳ありませんガウス殿!!奴ら、術を使ったようで・・・目が眩んでっ・・・」


兵士はそこで言葉を濁す。


ガウスは兵士のメットをつかむ。


その瞬間、メットが粉々に砕け散った。


「・・・・・・・取り逃がした・・・・・・・か?」


「がっ・・・・・・・・・は・・・・・・・・・い・・・。申し訳ありませっ・・・・ぐあああ!!!」


ガウスの足元に兵士が倒れこむ。


息は、していなかった。


「・・・・役たたずめ。だから人間は・・・」



ひゃあああああ(*_*)なんか展開早すぎ・・・・・(汗


長くなりそう。。。。頑張ります・・・・。


感想等ありましたらどうぞ。