ノンフィクション劇場=通夜は突然に… | ミックスココアのひとりごと

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気ままに思いついたことを折々に

ノンフィクション・ドキュメンタリー劇場


3月7日

今日は一切の仕事の予定なく

自分が宮司の神社へ出仕の予定もなく

助勤に行ってる神社の出社の予定もなく

目が覚めるまで寝てるつもりで

目覚ましもかけずまどろみの中で爆睡中・…


どこかで何か音楽が…

AKB48の”風が吹いてる”…

う~ん、やっぱりええ曲だな~

スヤスヤ~


え”っ、?!

ま、待てよ、これって携帯の通話着信やん!!!

で、電話?!


がばっと飛び起きて

電話手にした途端切れた・・・


何時~?

誰~?

ちらっと時計を見たら、あらら、11時過ぎ・・・

良く寝たな~


と、独り言つぶやく暇もなく

自宅の固定電話の着信音がけたたましく鳴り響く


私『ふぁ、ふぁい、○○です…』

電話『○○さん、今夜通夜受けたのでお願いします!』

私『え?え?な、何?艶?津谷?通夜?!』

電話『お通夜の依頼受けたのでよろしく、簡単でいいて言うたはるから。』

私『今夜って、何時からですか?ば、場所は?』

電話『6時から、15人くらいって、詳しくは電話番号言うから、依頼者に聞いて』

私『は、はい・・・』


ここで、読者の皆様のご参考に

神葬祭の画像をお見せしよう



(参考画像・フリー素材から拝借しました)


いきなり、やったこともない神葬祭を一人でやれってか?

おぅ~?!ナメとんのか?

と、は言いませんが、心の中の叫び声がそう言ってました、多分。





とにかく起きなきゃ、顔洗って

先ず、シャキッとしなくちゃ、夢ちゃうよな、現実だよな

あの電話の声は、まぎれもなくあの”湯婆婆”


実は、前から思ってたんです、

助勤に行ってます神社の宮司様の御母上様

実質、社務の実権を握り諸事万端掌握されておりますお局様、

”千と千尋の神隠し”というアニメに出てくる”湯婆婆”に

なんもかもそっくりなんです


その湯婆婆からの突然の指示


顔洗って髭剃って歯磨いて…

まず、なんか食べないと、

いや待て、まず電話か~


パン・・・、いや、とりあえず電話か~

けど腹減ったし~

ま、とにかく電話


湯婆婆から聞いた電話に電話してみました

電話に出んわ~


取り込み中か?

今夜通夜ならそりゃ、取り込み中だわな~

葬儀業者と打ち合わせ中か~?


よし、じゃ、まず腹ごしらえ・・・

じゃなくて、本!、テキスト!解説書!手引書!

し、神葬祭・・・

納棺の儀・柩前日供の儀・帰幽奉告の儀~?


とにかくネットで調べて

本を読み飛ばして

通夜祭・遷霊祭の概要は判った…


簡単で良いって言っても、

最低限必要な段取りってあるやん~

あれが必要、これが必要、ど、どうすんの、私!

がんばれ、私!


も一回電話してみよ

私『あ?もしもし、★★様ですか?

わたくし、お電話を頂戴いたしました◇◇神社の神職ですが

この度は誠にご愁傷様でございます、心よりお悔やみ申し上げます。

ところで御取込み中に申し訳ございませんが、

お申し出のお通夜のご準備について

お話を承り、打ち合わせをさせていただきたいのですが・・・』




状況が大体分かった

家族親戚だけで簡素にやりたい

場所は自宅、え?じ、自宅?!

自宅って、つ、つまり、畳の部屋、って、

それって座礼ってことやん!!!!


説明しよう、

祭式には、座礼(ざれい)と立礼(りゅうれい)とがあり

座礼とはいわゆる正坐をして行う作法

立礼は立ってする作法であり、

正坐の場合は神道では、

お寺のお坊さんが座るようなあんな分厚い座布団は使わせてもらえない

というか、使わないので、ほぼ、畳の上にじかに正坐ということになる。

それも5分とか10分とかの短い時間ではない!

通夜祭ともなれば・・・・


想像しただけで、冷や汗が流れて

神経が過敏に反応し、既に足が痛くなってきた…

これがホントの神経痛~


てな、アホなことを言ってる場合ではない

そうだ、祝詞(のりと)を書かなくちゃ


あっちこっちの知識や参考文献をひっくり返して

墨を摺って、息を吸って、深呼吸して心落ち着かせて

真っ白な祝詞用紙に向かって筆を走らせ・・・

と言えばかっこよく聞こえるが

もたもたしながら書き上げた祝詞が

ワン・ツー・スリー これだ!☞


DSC_0816.jpg

と、とにかく祝詞は書いた

式次第もパソコンで入力して印刷した


よし、いくつかわからんことがあるが

こういう時は同級生・先輩頼り

同級生の神社の宮司様にあれこれ

突然お電話していくつか教えていただきました


よし、、かなりわかった~

まず、湯婆婆に電話

私『もしもし、あ、私です、すみませんが大至急”霊璽”を買っておいて下さいませ』


ではでは、出社

いざ出発


白い袴は持った、

途中のホームセンターによって

白い手袋買わなきゃ、

酒米塩水をお供えする陶器も

それを載せる三方(さんぼう)も買わなきゃ

ろうそく・ろうそく立も・・・




神社に着いた

さて、湯婆婆様

私『あの~、霊璽(れいじ)は?

あの~、神饌物は?』

湯婆婆『霊璽は買ってきましたよ、神饌物いるの?』

私『は?神饌物必要です、すみませんがちょっと買いに行って来ていただけますか』


そんなこんなのやり取りをして

玉串用意して

祭壇用の案(あん)<いわゆる台>を3脚、車に乗せて

真榊(まさかき)・三方・瓶子(へいし)・

手作りしたマスク(霊に直接斎主(私)の息がかからないようにするためのもの)

等々、忘れ物ないか?

大丈夫か?私!

狩衣持ったか、烏帽子は、笏は?祝詞は・・・

よし、大丈夫、出発・・・




先方の御家到着

ご挨拶をして

祭壇設営して…

狩衣に着替えて

手水の儀

開式の辞

修祓

斎主一拝

献饌

等々、

と、とにかく

無事に、滞りなく

故人の御冥福を祈りながら

通夜祭並びに遷霊祭をご斎行申し上げることができました


正坐ですか?

それは聞かないでください・・・


3月8日

今日は太ももと足の甲が悲鳴を上げておりまして

階段の上り下りもできないくらい

歩行困難な状態だということだけご報告しておきます。


最後までお読みいただきありがとうございました