日本人の精神文化のお話をひとつ。
「晴れ着」ってどうして晴れ着って言うか
ご存知でしょうか~?
昔から日本人は普段の
いわゆる日常生活の日々を
「ケ」(褻)と呼びました。
これに対して、非日常、つまり
神社の祭礼やお寺の法会(ほうえ)、
正月や節句、お盆などの年中行事、
さらには冠婚葬祭の日は
「ハレ」(晴れ)の日でした。
この「ハレ」の日が単調になりがちな生活に
変化とケジメをつけていたのですね。
「ハレ」のときは、非日常ですから
特別な日です。
「ハレ」の日の為の着物を着て
特別な神聖な食べ物、
お赤飯やお餅を食べて、
お酒を飲んでお祝いをしました。
一方「ケ」は普段の日常の
生活の日々なのですが、
単調な「ケ」の生活が続くと
順調ではなくなるときも出てきます。
その状態を、「気が枯れる」と言う意味の、
「気枯れ」、つまり「ケガレ」になると
特に、死や病は、「ケガレ」と考えたのです。
神話の時代から
「ケガレ」を忌み嫌い、
神様に近づくのに
ふさわしい身体になるために
禊(みそぎ)をして、身のケガレを
清め、お祓い(おはらい)をしてきたのでした。
「ハレ」や「ケ」と言う考え方も
言葉すら最早一般的ではなくなってしまいましたが、
日本語の中に名残が残っています。
「ハレ」の日に着ると言う意味の
「晴れ着」や
「晴れ姿」「晴れ舞台」と言う言葉です。
お天気の良い晴れた日に着る服
と言う意味ではありませんねぇ。
普段何気なく使っている言葉にも
そんな歴史的な深い意味があるんですね~
日本語っていいなぁ~