この木、何の木? | ミックスココアのひとりごと

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これは何の植物の葉かご存知でしょうか?

檜(ひのき)によく似ていますが、檜ではありません。


あすなろ(翌檜)です。


あすなろ(翌檜)”は日本特産の常緑高木で、

ヒノキ科アスナロ属で、別名ヒバとも呼ばれます。


材はヒノキオチールを豊富に含み、

殺菌力と耐久性に極めて優れているので

「まな板」材として最高級にランクされます。

もともと、ヒノキオチールは、その名に反して

ヒノキそのものにはあまり含まれていません。


さて、井上靖さんの作品に

「あすなろ物語」という小説があります。

天城山麓の小さな村で暮らしていた少年が、

多感な青年時代を経て新聞記者となり、

終戦を迎えるまで、少年期から壮年期までの

成長の過程を綴った青春小説です。


明日は檜になろう、と頑張ったけど、

所詮あすなろあすなろ

ついに檜にはなれないという説話の

あすなろの木に託した、著者の自伝的小説です。


このあすなろの木のお話なんですが、

どのように受け止められるでしょうか?

現実の仕事面、生活面でもそうでしょうが、

「あの人のようになりたい、

あの人のような仕事のできる人になりたい」と

目標を定め、それに向かっていくら努力をしても、

目標とする人物にはなれないかもしれません。


誰もが努力すれば、

松下幸之助氏になれるわけではないのです。

目標とする人物と天分、才能の違いがあって、

だれでもイチロー選手や石川遼プロに

なれるわけではないのです。


でも、質こそ違え、その努力した分だけ

自分自身が成長することができます。

きっと、地位や立場は違っても、

その人なりのその道の

オーソリティーになれると思います。


所詮、檜にはなれないあすなろかもしれませんが、

でも、檜のようになろうと目指して努力すれば

あすなろあすなろ

立派な木になれるはずです。

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