仕事柄いろんな地方で勤務してきました。
会社名は伏せさせていただきますが、
強く印象に残っている企業があります。
北陸のとある地方都市で、
お取引先へ着任のご挨拶にお伺いいたしました。
あらかじめ電話で面会のお約束をいただき、
その企業の常務さんと
午後2時にお目にかかることになっていました。
約束の時間の5分前に到着すると、
受付嬢は、一礼のもと、
「○○様でいらっしゃいますね。
常務がお待ち申しておりました。」と、
明るい声で迎えてくれました。
さらにエレベーターまで案内し、
「6階まで恐れ入ります」とボタンを押して、
閉まりかかるエレベーターのドアの外で一礼。
エレベーターが6階に着いてドアが開くと、
別の女性が、応接室へ案内してくれました。
驚きました!
通された応接室には既に常務さんが待っていてくれたのです!
約束していて、時間通りに訪問しても、待たされるのが普通、
ややもすると、約束を忘れられて不在だったり、
他のお客様の接客中だったりすることもまれではありません。
それだけに、この会社の受付への来客連絡の徹底、
明るい対応、礼儀、そして来訪者への態度。
社内の事務室を通り過ぎるときに、
執務中の事務員さん全員が
仕事の手を止めて、一斉に立ち上がり、
私に向かって「いらっしゃいませ」のご挨拶・・・・。
社内ですれ違う社員の方が、
立ち止まり、いちいち私に目礼をしてくださる・・・・。
とても感銘を受けると同時に、
こんな企業があるんだ・・・と、感動しました。
こういうことは、一朝一夕に身に付くことではありません。
普段からの社員教育、そして何より、
社員の方々一人ひとりの企業人としての心構え、
自覚があればこそだと思います。
社員全員がそうなったとき、
社内全体が活気のある企業となり、
そんな企業こそが発展し伸びていく企業なのだと思います。
実際この企業は、数年後には
その業界のトップ大手企業へと発展していきました。
そんな企業とお取引いただけることを
今でもすごく誇りに思います。