おかあさんの耳がちょっととおくなったから、
わたしはおかあさんの顔に
わたしの顔をちかづけて、
耳元ではなしをする。
おかあさんの耳がちょっととおくなったから、
わたしは照れることなく、おかあさんの顔に
わたしの顔をちかづけて、
おかあさんの耳元ではなしができる。
おかあさんの耳がちょっととおくなったから、
わたしはやっとおかあさんを独占して、
おかあさんの顔にわたしの顔をちかづけて、
おかあさんの耳元ではなしつづける。
なんども、なんども。
おかあさんの耳がちょっととおくなったから、
おかあさんの顔、さわって、
やっと近くでふれあえる。
ほおずりするような感じで。
こうやってわたしたちは、
出会った時みたいに、
ちいさい母娘にもどっていく。
