母が入院してから現在も、私は睡眠導入剤が手放せない。

ベッドに入り部屋の灯りを消すと、ずっと母に話しかけている様な感覚になる。

特にこれと言って内容はないし、何を話しかけているのかも覚えていない。しかしずっとこの状況で朝を迎えると、日中の睡魔よりも体力的に辛い。

そのため、母との会話を強制的にシャットダウンするために、仕方なく睡眠導入剤を使用している。

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昨晩は疲れていた。

母に「父をよろしくね」と言われているので、食事は出来るだけ手料理に拘ったが、昨晩はギブアップしてスーパーのお惣菜で我慢してもらった(一応スープは頑張って作った)

そんな状態だったので、睡眠導入剤を服用するのも億劫になり、そのままベッドに入った。

すると亡くなって初めて、母が夢に出てきた。

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朝起きると、母は自宅の布団に寝ている。終末期で在宅医療になったのだろう。

すると母が突然「病気が治った」と言って、布団から起き出した。唖然とする父と私。

これ以上おまえ(私)に迷惑はかけられないからね
これからは、バリバリ家事を頑張るよ

母はさっきまで自分が寝ていた布団をたたみ、普段着に着替え始めた。

ここで目が覚めた。

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父は、私が頑張り過ぎていると心配している。夕食もスーパーの惣菜でよいと言う。

そんな父の心配が、母に届いたのだろうか。

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母が亡くなる前、母は私の頭を撫でながら「おまえ(私)は良い娘」と言ってくれた。

私は、あなたにとって本当に良い娘でしたか
そしてこれからも、良い娘でいられますか

自問自答の日々は続く。