お前にサラリーマンは無理だ
介護職とか向いてるんじゃね?
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自分の担当する仕事を午前11時までに終え、午後からは他部署へ御用聞き。
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私を可愛がってくれた最初の上司は、懲戒解雇。次の上司(元上司)は取引先を守るために社長と戦った結果、その日のうちに取締役部長→平社員に降格された。
その元上司は既にご両親を亡くされており、年齢も近いと言う事もあって、よく話を聞いてもらっている。上司と部下という関係の時は、こんなにたくさん話した事ない。と言うか、よく衝突して怒鳴られてたし。
そんな元上司の所へも御用聞きに行く。
俺だって暇でスマホ弄ってるのに、お前に与える仕事なんかある訳ねぇだろ
豪快に笑いながら、元上司が言う。
ここは、元上司が管理している小さな倉庫。滅多に人の来ない静かな場所で、元上司は1人で黙々と作業をしている。
そこから会社に対する愚痴の言い合いになり、その流れから
お前(私)協調性ねえからな、もし転職してもサラリーマンはやめておけ
と言われる。あぁ良くご存知で。
確かに私は協調性がない。協調性がないのは誰かのせいにしていたのもあるが(パワハラやイジメ)元々周囲と歩調を合わせて流れ作業的にこなす仕事が苦痛でしょうがない(注意:本人は、周囲に対して相当気を使っているつもりです)
業務改善の名の下で(決して強行にならぬ様に優しく)改善案を提出するも、ことごとく反発にあう。
それを見抜いていた元上司は、よく私にデータ集計の仕事を振ってくれた。
お前は周りが見えなくなる位まで集中出来るからな
1人で黙々とこなす集計業務は得意だろ
そこで、何故か転職の話へ。
お前にサラリーマンは無理だ
介護職とか向いてるんじゃね?
今のお母さんの経験も生かされるし
1人の利用者さんに対して真摯に向き合えたら、それはそれで良い介護士になれるぞ
俺も今まで好き勝手にやって来たし、正直敵も多かったけどさ
最後ぐらいは、誰かに感謝される仕事がしたいと思うよ
誰かに感謝させる仕事、それ以上に誰かに寄り添う仕事がしたい。人の温かみを感じる仕事がしたい。
そんな思いが、こみ上げてくる。
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出会いは偶然ではなく必然と言うのは、本当なのかもしれない。先の見えない暗闇の中で、私の背中を押す手が温かい。
もっと早く元上司に出会えていれば、元上司が部長のまま留まってくれていれば、今とはまた違う状況だったのかもしれない。もう少しあなたの下で、仕事がしたかった。
何で社長に喧嘩売ったんだ(怒)アンタこそ協調性ないだろう…と言いたいところだが、ここはぐっと抑えて。
有難うございます、元上司。