午前中、隣県に住む弟が来てくれた。父母の生命保険の確認が目的だ。

父と弟で「あーだこーだ」決して良い内容ではないが、2人で仲良く作業している。共同作業なんて、何十年振りなんだろう。私は昼と晩ご飯の支度をしながら、時々その様子を覗いている。

ここで新たな問題発生。父がキャッシュカードを使った事がないと言う事実が発覚。弟が「芸能人かよ」と言いながら、ため息をつく。

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昨日母が「マテ茶が飲みたい」と言い出したので、弟に買ってきてもらった。

濃い目に入れたマテ茶を持って、昼に帰る前に病室に顔を出すと言う弟と一緒に病室へ。

美味しいね、ありがとう

それは良かった。

病院までは弟は父の電動自転車、私は母の自転車で向かった。炎天下で自転車をこぎながら、弟が笑う。

この歳で、姉貴と仲良くサイクリングかよ

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夕方父と病室に行くと、突然母が言った。

ごめんね、お父さんを1人残して

あんなに「治療を頑張る」と言っていた母からの、初めての弱気な発言に、父と私は凍りつく。

あなたと結婚出来て良かった

父、涙目。

あのね、お父さんを1人置いていかれても困ります
私はお世話出来ません

父が施した足のマッサージがよっぽど気持ち良かったのか、しばらくして母が眠りにつく。そのタイミングで、父と病室を離れる。

お母さん、また明日も来るからね