32年前の12月7日。
兄が誕生しました。

母は2歳の時に、海で父親を亡くしました。
韓国から海を渡って来た母の家族。
当時は様々な偏見があったのも事実で。
祖母は生計を立てる為に女性ながらも肉体労働をして一日中働いていたと聞いています。

両親が家にいない。
そんな暮らしをしてきた母は、兄弟がいることの有り難さ、大切さを本当に感じていたから。

「絶対に一人っ子にはさせない」

そうして、私を産んでくれました。
兄が居なかったら、私はこの世界に存在していませんでした。


小さな頃の記憶。
「世界で一番好きなのは誰?」
そう尋ねた私に兄より上位に私の名前を挙げてくれた母。

その会話を聞いていた兄。
「さっきのは嘘だよ。そう答えないとお前が泣くからだってお母さんが言ってたよ。本当は俺の方が上なんだって」


…幼少期の私は、母の体質を受け継いで病気がちだったこともあって、知らず知らずのうちに、母を独占していました。

二歳半しか違わない兄にとっては、淋しく辛い環境だったと考えたこともありませんでした。

言葉にしたことはないけど。
兄がいてくれたことが。
今までも、これからも。
大きな支えです。


母が亡くなった後の想いを分かち合える、唯一の存在。


私の入籍の日。
何度もメールをくれたお兄ちゃん。

お誕生日おめでとう☆
いつまでも元気でいてね。

妹より。