日比谷公園の改修工事がすでに始まっていると聞き行って来ました。

帰って来てから改めて工事の概要を知り(←遅い!)

「この公園は誰の物か」と考え込んでしまいました。

 

日比谷公園は東京都立公園なので、公共の施設として

訪れる全ての人の憩いの場所だと誰もがいうでしょう。

 

しかし新たな公園整備計画によれば

そこはもう公園とは呼べない、他街区との境を無くし

観光化されたイベント広場になるようです。

(こういう場合もボーダレスという言葉を使うのかな?)

 

 

 

小音楽堂は無くなるらしい。

このサビサビの屋根が好きだったのに。

 

なぜ他街区との境をなくさなくてはならないのか

私には理解できません。

境があるからこそ緑の空間が生まれ、そこでリフレッシュできるのに。

 

 

 

 

 

緑に囲まれた児童公園

 

東京の真ん中にこれだけの場所があるということが

日本文化の奥行きではないだろうか。

 

これでは儲からない、もっとお金を生み出せるはず

という企業主導の再開発をするなら

それはもう公共のものではなく

都立の看板は外すべきだと思いますが。

 

それにしても、こういう事実を

私を含めほとんど知らないのはなぜ?

 

神宮外苑の銀杏並木にしても

事前にアンケートをとったというけれど

どれだけの人がそれを目にしただろうか。

計画がいよいよ具体化する頃、ようやく多くの人が知ることになり

反対意見が世論を動かしたので

マスコミも渋々報じ始めたのではないだろうか。

 

芸能人のスキャンダルやグルメ情報はしつこいほど繰り返し報じるけれど

その陰で確信犯的に報じなかったマスコミに対して

つい恨み節を唸りたくなりますわ。

ま、関係ディベロッパーは巨大スポンサーですからね。

 

でも、それをマスコミだけのせいにするのも違うかな。

 

何だか難しそうなことは全部丸投げして

自分だけ平穏に暮らしていければ良いと思う私もいます。

「無関心」は時に暴力より恐ろしいのかもしれません。

 

 

 

 

 

水浴び直後の鳩さん

 

人も鳥も、時にはちょっとひと息つきたくなる

今の東京でそういう場所を望むのは贅沢なの?

 

いや、そんなはずはない…と思いたい!

 

もう一つ気になるのは防災について。

そもそも日比谷公園の地下はどうなっているんですかね?

直下型地震が来たときなど、液状化現象が心配なんですけど。

激震災害が起きたとき、そこにいる人たちを安全に守るのは

公共施設の使命だと思いますが

普段は管理システムに任せて、少数職員で運営していたとして

有事の際、どのくらい動員できるのか。

今とは比べ物にならないくらい入園者が増えると思うので

再整備工事をするなら

まずその辺をしっかり検討して欲しいです。

「防災都市東京」をスローガンに掲げたのはどなたでしたっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、最後に戻ってきた心字池の前。

あの石垣の上の静けさは、

何物にも代えがたい貴重な場所です。

 

自分にとって、この日比谷公園はとても大事な場所だと分かったので

この際、いつも意識を向けておこうと思います。