紫陽花が色づき始めると思い出す光景があります。

カメラを持ってお散歩を始め、歩き回っているうちに

今は無き北青山アパートに辿り着き

その広大な花壇にすっかり魅せられてしまったのです。

 

すっかり古びた団地の棟の間に

今どきなら贅沢すぎるほどの花壇があり

住人たちが思い思いに植えた草花が密林化していました。

もしかしたら、植えた人はもう住んでいないかもしれないけれど

草木は季節が来ると芽を出し花を咲かせて幾星霜…

イングリッシュガーデンも真っ青な独自の光景を作り出していました。

 

花壇で目立ったのは何といっても紫陽花。

雨上がりのある日、行ってみたら

まだ雫を湛えた花々がお日様の光を映して

重たげに枝を伸ばしていました。

両側にそんな紫陽花の塊が溢れる細い道には誰もいなくて

雨上がりの紫陽花を独り占め!

どんな公園でも味わえない贅沢なひとときでした。

 

その頃の画像を探してみたら、こんなのがありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨上がりの日に写した画像は見つけられませんでした。

 

その北青山アパートもその後出会った霞ヶ丘団地も今は無く

もう団地の花壇を見て歩くことはないだろうと思っていたら

戸山ハイツに出会ってしまいました。

 

北青山アパートは半ば廃墟と化していましたが

戸山ハイツは現役バリバリで

私が足を踏み入れたこの春は

最後の枯草を刈り取り、新たな季節の花が咲き始めたところ。

そこでまず最初に思い出のシラーベルビアナに出会ってしまい

またまた団地通いが始まりそうです。

 

 

 

 

 

久しぶりに見たシラーベルビアナ飛び出すハート

 

 

 

なんで団地の花壇に魅せられてしまうのか?

 

たぶん思い思いに植えたり種を蒔いた人の想いが

そこに根付いているから。

その結果、花壇全体は統一感に欠けるかもしれないけれど

それこそ色々な人が暮らしている証で

そこが面白いところだと思うのです。

 

 

 

 

 

昨日見かけた紫陽花。

葉っぱがかなり喰われているけれど

紫陽花はそんな事には負けないのだ。

 

 

 

 

こちらも野生化した紫陽花。

茂みの中から「ここにいるよ~」と手を挙げているみたい。

 

今年は久しぶりに雨上がりの紫陽花に出会えるかな。