私は仕事で毎日、何種類か新聞に目を通します。
そこで目に留まった記事を二つ御紹介します。
一つ目は6月8日のスポーツニッポン
見出しは「白鵬土俵入りで余震止まった!?」
日本相撲協会は、東日本大震災巡回慰問を行っていたが、7日に横綱白鵬が今回の慰問にまつわるエピソードを披露した・・・
巡回初日に訪れた岩手県の山田南小の佐賀敏子校長から
「横綱が土俵入りして以来、数日続いていた余震が止まったんです」と連絡が入ったこと。土俵入りの四股には大地を鎮める意味合いがあるだけに
「気合が入ります。残りも意味を考えて四股を踏みたい」と話した。
二つ目の記事は6月9日(昨日)の朝日新聞 夕刊
一面の真ん中に写真入りで・・・
「地震後 くるり 村を見守り」の見出し。
東日本大震災の翌日に起きた長野県北部地震の後、長野県飯山市の地蔵6体が被害の大きかった同県栄村の方に一斉に向きを変えた。
幸い地震による死者はおらず、住民たちは「お地蔵さんが守ってくれた」「復興を見守っているのでは」と話している。
写真では、白い帽子とよだれかけを掛けられたお地蔵さんが、きっちり同じ方向・・・
台座から90度向きを変えて立っている。
台座を固定された1体だけはさすがに動けず、動いたお地蔵様と背中合わせに立っている。
お地蔵さんは、子供というより、ふくよかで優しいお婆さんが、微かに微笑んでいるように見える。
二つの記事は、どちらも3月の大地震にまつわる地元ならではのエピソード。
この記事を書いた記者さんは、「深刻な事態ばかりでなく、ちょっと笑いを誘いそうな記事も入れなくちゃ」と思ったのかな。
お相撲さんやお地蔵さんの力を信じているわけではないんだろうな。
でも、これを読んだ人のうち、何人かは、どこかにそんな力があるような気持ちになるのではないかしら。
そんなバカな!この科学万能の現代に!
と笑う人の方が多いとは思うけど・・・
でも私達のご先祖様は、自然の大きな力を恐れ敬うことで生き延びてきたのだと思う。
「人間は賢くなりすぎたね」
と、お地蔵様に笑われているような気がする。