2~3年前、友達のリンゴちゃんから電話で突然
「バオバブの木の育て方、知らない?」と聞かれた。
ばおばぶ?・・・バオバブ?
う~ん、と、え~と・・・
どっかで聞いたことがあるような・・・
頭の中の引き出しが少ない上に、中身をきちんと整理してないから、中々欲しいものが出てこない。
しばらく、唸っていたら・・・頭の隅っこ、遥か遠くの忘却の雲の間から、ちっこい王子様が、恐る恐る手を振ってくれた。
ああ、そーか!
「星の王子様」というお話の中に出てくる木だ。
凄く苦労して思い出したのに、リンゴちゃんは
そんなこと、とっくに分かってるもん。だってお誕生日に「星の王子様の栽培セット」というようなものを貰っちゃったんだもん、という。
見せて貰ったら、星の王子様の絵が描いてある植木鉢とバオバブの種がセットになっている。とても可愛いプレゼントだと思った。
でもリンゴちゃんは、やや当惑・・・
「せっかく貰ったんだから育てなきゃ悪いと思うけど、どーすればいいの?誰か育てたことある?」
ネットで調べてみたら、バオバブの木はアフリカ原産。
写真の中の木は、丸っこい幹の不思議な形。
説明によると、高さは20メートル、幹の太さも10メートルくらいまで育つ。
数千年も生きる木だという。
さあ、大変だ。
宝くじを何回も続けて当てるか、広大な土地を持つヒトと結婚して、しかも子々孫々まで「バオバブの木を守るべし」という家訓を語り継がなくちゃ。
でも、その心配はいらなかった。
栽培セットに入っていた、ザックリした説明書の通りにやってみたけど、発芽したあと、あえなく昇天してしまったらしい。
その後リンゴちゃんは「桜の盆栽を育てる」といいだした。
なんとまあ、一筋縄じゃいかない人だよ。
もう少し普通のものは無いのかえ?
めでたく桜の盆栽を入手し、そのとき付いていたツボミは見事に開いたけど・・・
咲き終わってしばらくしたら、幹の下の方から、枝が伸びてきて、桜とは似ても似つかぬ葉っぱが出てきたんだって!
その枝を切ったほうが良いのか、切らないほうが良いのか・・・悩んでいるうちに桜の木は、またしても枯れてしまったそうな。
その後リンゴちゃんは、ミントの鉢を購入した。
やれやれ・・・
ミントは異常なくらい繁殖力が強い、丈夫なハーブだから、今度は何とか育つでしょう。
去年の春、リンゴちゃんは友達の家に遊びに行き、羽衣ジャスミンという蔓性の花を見せてもらった。
蔓を、とてもかわいらしい形に絡ませているのを見て、気に入ってしまい、早速購入したらしい。
リンゴちゃんの住まいはワンルーム。
大きな窓があるけど、ベランダなどは無い。
その窓の内側の棚に、ミントと羽衣ジャスミンを置いて育てている。
今年の春、羽衣ジャスミンがたくさん花を付け、部屋中に素敵な香りを振りまいてくれたらしい。
この夏は窓の外にすだれを付けて、植物を強い日差しから守ってあげる、といってた。
リンゴちゃんの花づくりも、ようやく本格的になってきたみたいだ。
私の夢は、広大なイングリッシュガーデンを作ること。
そのためには、莫大な財力と弛まぬ努力と忍耐、果てしない時間が必要だ。
そのどれ一つも持ち合わせていないので、小さな鉢に可愛い花を植えて楽しんでいる。
来年は、羽衣ジャスミンを植えてみようかしらん・・・
昨日、うちの庭に仲間入りしたマリーゴールド
妹が買ってきました。