私のきわめて濃い血縁の者(本人もこのブログを読むので、いちおう匿名ってことで・・・)は、渋谷の東急ハンズはある時と、ない時がある、という。
東急ハンズがない時は「今日はご縁がなかった」と諦める。
あったときは、おみくじで大吉を引いた時のようにニコニコしている。
あった時の次に行った時に、また無かったりするらしい。
なんとも不可解な都市伝説じゃないの?
私は、いくらなんでもそれほど酷くはない。
ただ、行きに右側にあった建物が、帰りには反対側にあるということが理解できない。
身内の者は、みんな口を揃えて
「そーゆー事は、とても恥ずかしいことだからゼッタイ人前で喋っちゃダメ」だという。
確かに私が帰ってくるまでに、素早く左右を入れ替えるなんて凄い技術だわ。
国家の重要機密かも。
横浜に住む従姉妹は、どうしても私の実家にたどり着くことができない。
もう何十回も来ているというのに・・・
確かに最寄り駅が地下鉄で、しばらく来ないと路線が増えたり、地下の小さな商店街が変わったりする。出口を一つ間違えただけで、大通りの反対側に出てしまう。
説明しにくい場所である。
だから従姉妹が来る時は
「迎えに行くから、必ず改札口から電話してね」
と念を押す。
それなのに、改札口に着いたとたん
「なんだか今日は、たどり着けるような気がする」
という何の根拠もない自信がムクムクと湧き上がってくるらしい。
目に付いた出口から地上に出て、思いつきで歩き始めた挙句、私に電話を掛けてくる。
「今、着いた・・・」
「改札口にいるのね?」
「違うの・・・」
「じゃあ、どこにいるの?」
「・・・わからない・・・」
結局、いつも私が走って探し回ることになる。
ようやく通りの反対側で、絶対に私が出てくるはずのない方向(東宮御所)を向いて、真剣に私の姿を探している従姉妹を発見したりする。
その後姿を見ると、この人と血が繋がっているんだなあ、としみじみ思う。
今週に入り、ようやく紫陽花の色が濃くなってきました。