先日、代々木公園に行ったとき、小さな事件に遭遇した。
出口に向かって歩いていたときのこと。
代々木公園は広いので人がたくさんいても、遊歩道から一歩雑木林に入ってしまうと、まるで自分ひとりで森の奥を歩いているような静けさ。
土の感触を楽しみながら、ブラブラ歩いていたら、先の方の大きな木の根元に5歳くらいの可愛い男の子が立っていた・・・のを見た瞬間、大きなカラスが凄い速さで、男の子をめがけて飛んできた。
一回目は、男の子の頭をかすり、ぐるりと旋回してもう一度男の子の頭に襲い掛かった。
突然のことで、男の子は訳も分からず、頭を抱えて悲鳴を上げた。
そして泣き出した。
本当にあっと言う間の出来事で、少し離れたところにいた私は、何もしてあげられなかった。
男の子の悲鳴と泣き声を聞きつけ、少し離れたところにいたお父さんが走ってきて、子供を抱きかかえた。
男の子は大声で
「痛いよう、痛いよう、・・・・何にも悪いことしてないのに・・・」
と泣き続けた。
男の子を襲ったカラスは、低い枝に留まったまま身体を威嚇するように膨らませ、羽もたたまずに、一心に男の子の様子を窺っている。
私がすぐそばを通ったのに、全然眼中にないらしい。
その男の子は、今は泣いてるけど賢いなあ、と思った。
パニックの中でさえ、自分の行動を振り返っている。
確かに遠くから見たとき、その子は大きな木の根元に立っていただけ。
走り回っていたわけでもなく、騒いでもいなかった。
今はカラスが巣作りをする季節だ。
男の子が立っていた木に巣があったのかもしれない。
その子がこの後、鳥を嫌いにならなければいいけど・・・
ムリかもね。
中学時代に同じような経験をした人がいるけど、未だに「鳥」という言葉を聞いただけで眉間にシワを寄せて
「鳥なんか、だいっきらい!」というもの。
前の家にいたとき。
庭で外猫達にご飯をあげるのに、違う種類の缶詰が混ざらないように、いつも幾つかの容器に分けていた。
あるとき、いつもの瀬戸物の容器の他に手元にあった軽いプラスチックのトレーを使った。
猫達が食べ終わった頃を見計らって、容器を片付けに外に出てみたけどプラスチックの容器だけが見つからない。
風で飛んだのかと庭の隅から隅まで探したけど見つからない。
あれれ・・・どうしたんだろ?
ふと目を上げたら・・・その容器がお向かいの家の屋根にあり・・・カラスがお食事をしていた。
どっと冷や汗が出た。
カラスはキャットフードが入った容器を、こぼさないように水平にくわえ、邪魔が入らない屋根の上まで運んでから、ゆっくり食べていたのだ。
その技にも感心したけど、お向かいさんの屋根にプラスチックの容器が乗っているのは、どうしたもんか?
その家の住人は、もちろん気が付かない!
だって屋根の上だもの。
・・・・・結局、容器は小さいし軽いし、やがて風に飛ばされるだろうと・・・
すんませんでした・・・
それ以来、外猫のご飯入れは、重ーいボールに変えました。
現在、実家の庭にもカラスが来る。
外猫ハルちゃんたちが食べ残したキャットフードを食べにくるのだ。
近所の人の話によると、そのカラスは、3軒先の家の屋上で生まれ育った鳥だという。(カー吉と命名)
カラスは猫と違ってみんな黒いのに、どうして見分けられるのか?
カラスを餌付けしているつもりはないので、キャットフードはなるべく食べ残しを出さないように気をつけているつもりだけど・・・
最近では私の姿を見ると、外猫ハルちゃんがニャーと鳴き、それを合図にカー吉がスーと飛んできて柿の木に留まる。
全然逃げない。
絶妙のタイミングになってきた。
この庭にハルちゃんがいて、カー吉も来る、今日この頃です。