今日は空が霞んだようなパステルブルー。
日差しが柔らかく風も爽やかなので、ランチのあとに芝公園へお散歩。
この前来たのは桜が三分咲きの頃。
そのとき東照宮の大銀杏は、まだ黒々と裸の幹をさらしていたけど、今日は細かい若葉をびっしり枝に付けて、ますます大きく見える。
銀杏の若葉は、まだとてもち~いさい。
でも形はちゃんと銀杏の扇型になってる。
若緑の赤ちゃん葉っぱが、親の枝にしがみついているように見える。
毎日グングン大きくなって、もうすぐ一人前の顔をして、ずっと前からここにいるんです、という感じになるんだろうな。
大きな広場から東京タワーが間近に見える。
この前の大地震の時に先っちょが曲がっちゃったんだけど、今もそのままだ。
右半分にロープを張って地面と先端部分を引っ張ってるようだ。
どれだけ長いロープなんだろう。
近くに行ってみないとどうなってるか分からない。
ひと山越えればタワーの根元に行き着けるけど、今日は時間がないので、また今度。
同僚の玉子さんと、缶コーヒーを買ってベンチでひと休み。
昼休みの公園広場は、のんびりした静けさ。
ベンチでお弁当を食べている人、おしゃべりしている人・・・
今日は木陰のベンチが大人気。
もうそんな季節になったんだね
なんて話をしていたら、右手から小さな男の子が7~8人現れた。
チビオ君たちは、広場を横切って左手奥にある土の丘目指して走っていく。
その後をママたちが追いかける。
その手には、小さな紺色のスモックが・・・
ああ、そうか!
幼稚園の新学期が始まったんだ。
チビオ君たちは、多分3歳児の年少さん。
始まったばかりの幼稚園は、あっというまに終わってしまう。
スーパーボールみたいに弾んでる子供たちのエネルギーを、もう少し発散させるべく公園にやってきたんだな。
チビオ君たちは、あっというまに丘に登って姿を消した。
砂糖に群がる蟻のようだ。
と思っていると、丘のてっぺんから子供たちの元気な声が聞こえてきた。
「わっはっは~」
「わっはっはは~」
「わっはっははは~」
学芸会の「笑い声」という感じのセリフめいた笑い声だ。
ははーん!
チビオ君たちは、丘のてっぺんに駆け上り、征服の雄たけびを上げているらしい。
多分、腰に両手をあてて胸をそらして「どや顔」してるわ。
人間は高い所に上ると、気持ちが大きくなるもんね。
実はこの土の丘は全体が縄文時代(だったと思う)の古墳で「丸山古墳」という。
古代の古墳のてっぺんで、未来を担うチビオ君たちが雄たけびを上げているのが面白い。
古墳の中で嘗ての王様も、苦笑いをしているかも?
帰り道は、ひんやりした木立の間を縫うように木陰を選んで戻ってきた。
芝公園は東京都の管理する公園だが、その一帯はかつては増上寺の敷地だ。
その時代の面影を残した、緑の多い貴重な公園でもある。
家光公が植えたという大銀杏ほどではないが、林の中にはトトロの木のようなクスノキの大木がたくさんある。
今年の大河ドラマ「江姫」の眠る寺でもある増上寺。
初夏の一日、のんびり散歩するには最適の場所だと思う。