昨日の午後、誘われるままに井の頭公園へお花見に行った。
吉祥寺は、とても好きな街だ。
駅前にはパルコや丸井、東急百貨店など(伊勢丹はなくなったけど)大きなビルが並んでいて、アーケードの商店街も縦横無尽に伸びているけど、それでもどこか、あっけらかんとした感じがする。
住宅街に隣接しているからか、新しい店の間に昔ながらの店が淡々と営業しているからか、やっぱり井の頭公園や、その周りの広い雑木林のような公園があるからか・・・
距離の短い井の頭線も、休みの日にのんびり乗るにはちょうど良い電車。
ぼんやり各駅停車に揺られていたら、窓の外がいきなり真っ白になった。
車窓のすぐ下にずっと桜並木が続いていて、満開の花の溢れそうに豊かな枝が、まるで薄桃色の雲のように連なっている。電車の中から、桜の雲を見下ろすような豪華なお花見ができちゃったのでした。ちょうど高井戸のあたり。
思いがけない景色が見られて、もうご褒美を貰った気分。
吉祥寺の駅に着いたら覚悟していたとはいえ、凄い人波・・・
公園に続く道はラッシュ時の新宿駅ホームみたいな有様で、前に進めないよ~!
一緒に行った友達がボソッと
「地震の後、家に向かう道もこんな感じだったよ」
といったので、ドキッとした。
人の流れが止まっても、前にも後ろにも行けなくて、なんで止まったのか分からなかったけど、身動きがとれないから、そのままじっと待っているしかない。遥か先に交差点があり、信号が変わったので人の波も止まっていたのだ、としばらく経ってから分かった、と。
同じ人の波でも、災害に会い必死に家に帰ろうとしている人たちとお花見に来ている人では雰囲気が違う。それでも友達は、これから先ずっと人波を見ると、あの日を思いだすのだろうか。
公園の中に入ると人波はさらに増えて、桜を見にきたのか人を見に来たのか・・・
池の真ん中にかかる橋も欄干から乗り出して桜を眺める人、人、人・・・
私もその人波の中の一人で
皆と同じように身を乗り出して水際の満開の桜を見てる
うわぁ~ きれいだね~ 満開だね~
やっぱり来て良かったねぇ~
日本人にとって桜はやっぱり特別な花
身を乗り出して花を見るときの気持ちは、長い冬をようやく乗り越え
やっと迎えた春が持ってきてくれたご褒美を、余すことなく受け取ろうと
ひたむきに、あられもなく、嬉しそうに桜を眺める。
みんな笑ってる。
今年も桜は咲いたんだね 新しい季節が来たんだね
みんなで心から笑える日が来るって
信じて進んで行こう、ね。