これは前にツイッターで呟いた、野良猫の話です。
猫のことを何かに記しておきたいと、呟いたところ、ツイッターのお仲間の方が「ブログをやったら?」と背中を押してくださったのです。
感謝 感謝
ここで、もう一度、落ち着いて書いておこうと思います。
御用とお急ぎでない方は、ちょっとだけお付き合いいただけると嬉しいです。
家の外にたくさんの外猫がいた頃の話。
猫たちは兄弟だったり夫婦だったり、それぞれお気に入りの場所があり、暗黙のうちに住み分けていた。
隣の友人家族と手分けして、ご飯をあげたり手術をしたり・・・
ご近所さんがおおらかで、生き物好きが揃っていたのは有難かったけれど、
それでも住宅街の真ん中なので、出来るだけひっそりと目立たないように、と心がけていた。
それなのに、坂の上の方からきた雄の茶トラが現れると必ず大喧嘩が始まった。
夜中でも、闇をつんざくわめき声、叫び声
この茶トラは顔がやたら大きい、いわゆるボス相。
のんびり、まったり暮らしている外猫が気に入らないらしく、ことごとく喧嘩をふっかけて回った。
顔と同じく身体もでっぷりと太っていて、後ろから見ると茶色と白い毛が毛羽立ったお尻が桃の実に見えなくもないのでモモリンという名前にしたが、お茶目なのは名前だけ。
前に坂の上でご飯を貰っているのを見たので、うちではあげないことにした。
正直いって私にも、意地悪い気持ちがあった、と思う。坂の上に帰って欲しいと思っていた。
いつものように外猫に・・・モモリンを無視して・・・ご飯を分けていたとき
それまで端っこにいたモモリンが、私の足元ににじり寄り、じっと私を見つめた。全身全霊の力を込めて私を見つめたのだ。
その視線の強さに、私はたじろいだ。
「どうして俺にはメシをくれないんだ?」
私はその問いに対する答えを持っていなかった。
そうだよね。
ご飯を食べなきゃ生きていかれない。そこには理屈もへったくれもない。モモリンはずっと、そうやって自力で生きてきたんだ。
・・・・・ゴメン!私が悪かった。可愛げがなくてもトラブルメーカーでも、それはあくまで人間から見た姿だもんね。
ご飯を貰うようになっても、モモリンは人に慣れるわけでもなく、甘えるそぶりも見せない。この世には何も面白いことなんかない、という感じで歩き回っていた。
最期はガレージの奥の猫マンションで、3日間じっと動かず、そのまま静かに旅立った。
今でも時々思い出す。私を全身全霊で見つめたモモリンの強い視線。
どこにでもいるような、やさぐれた野良猫だったけど
あっぱれだったよ、モモリン
写真うつり いと悪し
でも人懐こくて温厚な若い洋猫