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イギリスにした理由は、
服が好きになったルーツがイギリスだった事。
UKカルチャーが好きになった事。
その2点。

まずはじめに今回のイギリス旅にお店の買付とは別で、個人で行った経緯から。

僕が働かせて頂いているSTRAY SHEEPは、
オーナー世田による海外買付で、現地ヨーロッパを長期間くまなく巡り1点1点ハンドピックした古着を扱っているヴィンテージショップ。

お店に並ぶまでに服自体にも買付自体にも背景・ストーリーがある。
当時服にハマってまだかなり浅かった自分、
地方に住んでいたという自分でも、
海外買付をする古着屋のロマンというものをすごく感じていました。
そんな中でご縁があり、僕はSTRAY SHEEPに入社。

ただ入社してもうじき2年が経つ今。

背景・ストーリーが詰まった服が並ぶ川崎店に、
メインで立っている自分が、
全く海外の古着市場・古着事情を知らないまま
お客様に販売すること。
最近、そこにもどかしさを感じるようになりました。

そう、これが今回イギリス旅に個人で行きたいと思った最大の理由です。

希少性の高い古着だと当たり前に接客の中で
「珍しいですよね!」とか、
「他じゃ見ないですよね」
「これは見ないですよ」とか。
どの販売員も口にしてると思います。
お客様も当たり前にその言葉を聞いてきたと思います。
今じゃそんな言葉を軽々しく口にしてた自分にも嫌気が差します。

僕が見てた景色は先人達が築き上げてきた日本の古着市場のみ。
それを当たり前と思って過ごしてました。
オーナーがピックしてきてくれた服を見て
「カッコいい!めっちゃ古いやん!」
他の古着屋で服を見て、
「これこんな風に着たい!」
まじでそんな程度でした。
販売員の立場として考えると、
「それってやってることお客様と同じやん。」って。
海外買付を主にしているなら僕も現地を知っておかないと本当に何も語れない。
じゃないとプロの古着販売員じゃない。
だって、自分で現地見てないんだもん。
用意されたレールの上で走ってるだけ。
現状に甘えすぎてただけ。
そんなんじゃ僕が転職してまでこの世界に入ってきた意味もない。
何をやってんだ自分。
親にも迷惑かけ続けて、入社してからもまだまだ。

いや、違う。
だったら自分で行けばいい。
自分で行きたいところ行ってありのままを感じればいい。
借金してでも現地を見ておきたい。
行こう。
行っても全ては見切れないけど、限られた時間の中で動きまくって見たもの、触れたもの、出会った人、そして感じた事を大事にしたい。

オーナーが当たり前にやってる事を僕も1度してみたい。
もしかしたらそれが将来の自分の財産になるかもしれないから。
そして、その感動も含めてお客様に届けたい。
それが自分がSTRAY SHEEP川崎店に立つ意味にもなるだろうから。
プロの販売員として、そう。
「当たり前」の事をしよう。

そんな想いでイギリスへ個人で仮想買い付けと称して色々回ることに決めました。

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ここからは、イギリスに行って感じた事。

結論から言うと、借金してでも行ってよかった。
行く価値しかないです。
とんでもなく得れるものが大きかったです。

何より1番は海外買付の厳しさを知れた事。
こんな価格で売られてるんだ。
日本より高いがな。
日本に当たり前にあるあのヴィンテージって現地こんなにもないの?
あってもデカすぎるサイズとか、
昇華されたボロでなくただのボロボロの汚い服とか。

日本の古着屋さんって頭おかしいです。
意味がわかりません。
悪口じゃないですよ。
僕が今回回ったのは、現地の古着屋やスリフトのみ。
実質滞在5日間で回った数は49件。
(主にロンドン・マンチェスター・シェフィールド)
先人の方達はもっと回ってるでしょうし、持ってる資金力も違いますが、
正直これじゃ商売にならないなって感じました。
もちろん僕以外は独自のルートや仕入れ先が必ずあるので、たかが現地の古着屋を見たくらいで僕が何も語ってはいけないのは百も承知。

それを考慮しても日本の古着屋は半端ない。
意味わからん。
偉大すぎる。

身体バキバキになりながら夜中1時に起きて地方に行ったり、色々準備して回ったけど全く成果なし。
ほとんどそんな日ばかり…笑

でもその厳しさを目の当たりにしても、
やり方を知らないだけで絶対にやりようはあると思っています。

だからこそ、今回行って、
現実を知れただけでも代え難い価値を得れたと思っています。
伝聞だけで現地厳しいとかそんなんは誰からでも聞けるわけで。
そうじゃなくてこの目で見て現地の人と話せたのも財産。
次に活かせるので。
 
ここで公言しておきますが、
必ず来年も行きます。
場所はイギリス、今回行けなかった場所もまだまだあるのでそこも行きますし、他の国ももっと見てみたい。
それプラスお店の買い付けにも必ず帯同できるよう頑張ります。

そしてそんな古着屋として「当たり前」の事を続けて、経験値を積む事でよりお客様に楽しい事をご提案出来ればと思っています。


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ここからは、同世代の古着屋STAFFに向けて。

僕は、
たかが5泊7日でイギリスに「1回行っただけ。」
所詮その程度。
それは本当にわかっています。
上から目線で何かを伝えたいわけじゃありません。
今回僕がイギリス旅に行くのに影響を受けた1人、
pittzzの遠藤くんことまーしー。
(彼のカリスマ性はすごいです。
僕にはまだない「個性」と「軸」をしっかりもっています。)
いつもありがとうね。

そんな彼と話してると、
自分達世代の話になるんです。
「先人達が一丸となって作ってきてくれた古着の当たり前を自分達も受け継いでいきたいよね」とかそういった話。

上の世代からは、ゆとり世代だもんねとか。
怒られたらすぐ辞めちゃうよねとか。
僕ら世代って本当に舐められやすいです。
めっちゃうざいですよね。
そんな一括りにされても。

でも上の人達のレベルから見れば本当にそう見えるから直接言ってくれて引き上げようとしてくれてるんだなと感じますし、
目をかけて可愛がってくれてるのも事実で。

若手とされる僕たちの1個上の世代を見れば、
sinotの木村さんや野口さん、ゆーみん&きうてぃさんなどなど。
挙げればキリがありません。
すでに周りには素敵な方々がいっぱい居て、
自分達が成長していくには最高の環境が整っています。
僕はそれに食らいついていきたい。
そういう人達が周りにいてくれる環境がどれだけありがたいか。

言ってしまえばまだ僕は影響を他人から受けただけの受動的な人間。
刺激与えられないと結局動けない人間だったのかも。
また自分に腹が立ちます。

でもその怒りや悔しさが原動力にもなりえます。

感情剥き出しでオブラート包まずつらつら書いてきましたが、
僕が何より届けたいのは、
行動次第で自分は変えられるという事。

きっかけなんて多分なんでも良いんだと思います。
行動という過程で様々なアクションを起こして結果が良い方向に変われば。

なので、
行ったことない方や行きたいと思ってるけど行動に移せてない人は口だけじゃなく動くことが大事なんだと思います。

借金なんて日本帰ってから死ぬ気で頑張ればどうとでもなるでしょう。
知らんけど。
僕は頑張ります。
でも、責任は取りません。

環境を言い訳にしたら人間一生動かないです。
お金が~、彼女が~、親が~
知らんがな。
ほんまに。
多分そんな人からは面白いことは生まれない。
その人の人格や人間味という部分は犠牲や経験の上に成り立つものなんだと強く感じました。
面白い経験をしている面白い販売員さん、
考え方も生き様もカッコいい販売員さんから
僕は服を買いたいです。

日本帰ってからも、
イギリス行って得たものや、来年も行きたいという想いで身体なんか勝手に動いてくれると思っています。

これ飛行機の中で書いてるんですけど、
興奮しすぎてて1分1秒でも動き出したい。
もう落ち着かないからその気持ちを落ち着かせるように見たことある007シリーズを機内で見まくってます。 

おそらく古着屋のオーナーさんってみんなそんなバイタリティなんだろうな。
子供のような純粋な好奇心がエンジンとなって動き続けていられる。
だからいつまでも走り続けていられるのかなって。

こんな夢のある仕事ってあります?
好きなこと出来て、その好きなことでお客様も笑顔になって。
古着屋は最高の仕事です。

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売り手側の話を長々としてしまいましたが、
そこの想いが1番強かったので、
真っ先に書かせて頂きました。

ここまで偉そうに書いておいて自分がまだこんなこと言えるレベルに達してないことも重々理解しています。
Instagramに上げてる日々のスタイリングやそのクオリティ、言葉1つ1つの表現。
今見返すと、
本当にそのパンツのシワ直してから写真撮らなくていいの?
そんなんで良さ伝わる?
タックイン?タックアウト?
ジャケットの袖の捲り方はそれで良いの?
それにした意図は?
シンプルにダサくない?

こういったところも含めてプロの販売員として帰国した今日から頑張っていきます。

ある種ここまで書いた文章は自分への喝です。
戒めです。


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最後に、
イギリスですごく素敵だと感じた事を共有したいです。

・「みんな服で自己表現をしていること」
モテたいとかそんなんじゃない。芯があるからカッコよくて、そういう人に人が集まるんだ。

・「みんな未来の話をしてくれること」
IBUKIは今後どうしていきたいの?と未来のキラキラした話に耳を傾けてくれる。
友達と話す時もやっぱり過去の栄光や愚痴ばかりじゃなくて心躍る未来の話をしたい。


ここまでが強く感じた事。

稚拙な表現も多々あったかと思いますが、
僕の文章力ではこれが限界!!
あくまで今の僕では。

他にも現地で感じたことはまだまだあるので、
是非店に遊びにいらしてください。

また、色々撮った写真もアップしていきますね。

僕は早速明日から川崎店に立っています。
めっちゃ元気に。
気軽に遊びにいらしてください。

ここまでお読み頂きありがとうございました!
古着LIFE・服LIFEを楽しみましょう!



マンチェスターで見た夕方の景色。

最高。


STRAY SHEEP川崎店
杉上 伊吹(すぎうえ いぶき)