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名古屋駅前の弁護士の三輪です。

 

民法711条は、死亡被害者の父母、配偶者及び子らの近親者に対し、加害者に対する近親者固有の慰謝料を認めています。

 

ただし、上記にあたらない場合で兄弟姉妹等の一定の関係がある場合でも、下級審判例の傾向としては、近親者固有の慰謝料を認めることが多いです。

 

本日は、死亡事故の事案について被害者の兄弟に固有の慰謝料を認めた、近時の裁判例(名古屋高裁平成29年9月28日判決)をご紹介します。

 

この裁判例は、9歳男子小学生が、交差点の横断歩道を横断歩行中に、乗用車が時速約50㎞で走行してきたため衝突され、死亡した事案です。

 

まず、被害者固有の慰謝料については、この事故は見通しのよい道路において、対向車線の車が、横断歩道を横断する小学生のために停止していたにも関わらず、本件交差点よりも進行先の信号表示に気を取られ、横断歩道を横断していた小学生を、本件交差点の直前で発見して回避しようとしたが、間に合わず跳ね飛ばして死亡させたという一方的かつ重大な過失のある事故であること、被害者は交通法規を守って横断していたのに、9歳にして今後の将来を失ったことを併せて考慮して、被害者の精神的苦痛を慰謝する慰謝料として2400万円とする旨認定されました。

 

次に、被害者の父及び母、並びに2人の兄の固有慰謝料については、父及び母は一方的に運転者の過失ある本件事故により、突然、小学生の被害者を失い、未だそのショックを癒すことのできない生活を送っている上、本件事故後の加害者の対応にも釈然としない思いを抱き続けていること、2人の兄も事故当時、中学1年と小学5年というこれから思春期にさしかかる時期に突然弟を失い、両親がショックから立ち直れない中で気持ちを閉じ込めた生活をするなど、多大な苦痛を被っていることを上げ、これらの事情を踏まえて、被害者の家族の精神的損害を慰謝する固有の慰謝料として、被害者の父及び母については各300万円、2人の兄については各150万円とする旨認定しました。

 

この点、死亡した本人の慰謝料とは別に、民法711条で、近親者にも固有の慰謝料が認められていますが、同条では慰謝料請求をできる親族を父・母、配偶者、子に限定しています。

 

ただ、最高裁は、上記の民法711条に該当しないものであっても「被害者との間に同条所定の者と実質的に同視しうべき身分関係が存し、被害者の死亡により甚大な精神的な苦痛を受けた者は、同条の類推摘要により」固有の慰謝料請求権が認められるとして(最高裁昭和49年12月17日判決)、特別な事情がある場合は、固有の慰謝料請求が認められるとされています。

 

この判例は被害者の兄が中学1年と小学5年というこれから思春期にさしかかる時期に突然弟を失い、両親がショックから立ち直れない中で気持ちを閉じ込めた生活をしているなど、多大な苦痛を被っているという事情を考慮したものと考えられます。

 

今後も、このような最新判例について、ご紹介をしていきたいと思います。

 

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