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交通事故により死亡事故が発生した場合、逸失利益(すなわち事故の被害者が事故にあわなければ得たであろう収入)の損害の請求をすることになります。
死亡による逸失利益は、「基礎収入(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数」にて算定されますが、逸失利益の算定は、高額になることが多いため、よく争いとなります。
そして「基礎収入」をいくらにするかで、逸失利益の請求額は大きく変動します。
そこで、本日は、給与所得者の「基礎収入」、特に定年制がある場合についてお話をしたいと思います。
給与所得者の場合、基礎収入は、事故前に勤務先から得ていた収入を基礎とします。
給与額には、本給のほか歩合給、各種手当、賞与を含みます。なお、税金の控除のない税込み額を基礎とします。
但し、給与所得者の場合、定年制度があることが多く、定年後の基礎収入をどのように評価するかで問題となるケースが多いです。
すなわち下級審の判例においては、定年前の収入を一定割合減額した金額を認定するものなどがあります。
この点について判示したものとしては、大阪地裁平成17年12月16日判決があります。
この裁判例は、有名私大卒業後、大阪証券2部上場の会社に勤務していた33歳男性が、交通事故で死亡した事案について、事故前年の年収額は、事故前年の賃金センサス同年齢の平均賃金額の8割から9割の間であったから、60歳までは賃金センサス平成14年平均賃金男子大卒全年齢平均賃金(6,744,700円)の8割(5,395,760)を基礎としました。
他方で、61歳以降の基礎収入額は、中途転職したり定年後転職する可能性等を考慮に入れて、賃金センサスの平成14年男子学歴計60~64歳の平均賃金である4,512,400円を基礎収入としており、参考になります。
また、東京地裁平成19年11月19日判決は、死亡時の賃金センサス大卒女子の平均年収を上回る収入を得ていた営業契約社員の52歳女性について、死亡時から契約年齢の上限である65歳までは事故前年の年収を基礎として、契約年齢の上限以降の66歳以降は賃金センサスの平均年収としています。
これらの判例のように、給与所得者の場合、勤務先が定年制を採用していることが多いため、定年後は定年前の収入より減収するものとして算定がなされることが多いようです。
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