名古屋駅前の弁護士の三輪です。
前回は、「過失相殺」について、被害本人の過失だけでなく、被害者と特別の関係にあるものの過失、いわゆる「被害者側の過失」についてお話をさせていただきました。
交通事故の賠償額の算定にあたっては、被害者側に生じた損害の金額を、一定割合減額して賠償額を決める場合があります。
このうち、被害者の過失が事故の発生に寄与した場合減額を行うものがありますが、これを「過失相殺」といいます。
ところで、過失相殺における過失とは、被害者本人の過失だけではなく、被害者と特別の関係にあるものの過失も含まれると考えています。
すなわち、「身分上または生活関係上一体をなすとみられるような関係にあるもの」いわゆる「被害者側の過失」がある場合も過失相殺が認められます。
それでは、「被害者側」のものとできるのは、どのような立場のかたなのでしょうか。
前回と異なり今回は否定する裁判例をみながら、その限界を検討をしていきたいと思います。
判例では、幼児を引率していた保母について、「民法722条2項に定める被害者の過失とは単に被害者本人の過失でなく、ひろく被害者側の過失をも包含する趣旨と解するべきではあるが」、「被害者本人が幼児である場合において」は、「例えば被害者に対する監督者である父母ないしはその被用者である家事使用人などのように被害者と身分上ないし生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失をいうものと解するのを相当とし、両親より幼児の監督を委託された者の被用者のような被害者と一体をなすとみられない者の過失はこれに含まれない」と判示して、これを否定しました(最高裁昭和42年6月27日)。
被害者自身に過失がなくとも、損害の発生につき被害者と密接な関係があるもの、つまり生計を同一するものの過失も「被害者側の過失」として過失相殺を認める一方で、無制限に広範囲に認められるものではなく、親族関係などの緊密な生活関係の範囲にあるものに限定をしており、参考になります。
また、その他の判例では、職場の同僚について否定するもの(最判昭和56年2月17日)や、恋愛関係にあったものの結婚していたわけでも、同居していたわけでもない場合に否定するもの(最判平成9年9月9日)があり参考になります。
従って、被害者本人に過失がなくとも、「被害者側の過失」が認められる場合には、過失相殺により減額が認められる可能性がありますが、一定の限界がありますので、注意が必要です。
詳しくは弁護士に相談して下さい。
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