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名古屋駅前の弁護士 三輪総合法律事務所のブログ

こんにちは。名古屋駅前の弁護士 三輪総合法律事務所です。
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名古屋駅前の弁護士の三輪です。

 

 前回は、「過失相殺」について、被害本人の過失だけでなく、被害者と特別の関係にあるものの過失、いわゆる「被害者側の過失」についてお話をさせていただきました。

 

本日は、いわゆる「好意(無償)同乗」の問題、すなわち他人の車両に乗車し自損事故などが発生した場合で、同乗者が事故を起こした運転者や車両の保有者に損害賠償請求をする際に、損害額全額ないし慰謝料の減額が認められるか、についてお話をしたいと思います。

 

この点、「好意(無償)同乗」については、従前、運賃を支払わないで他人の自動車の搭乗し、自動車を利用する便宜を得たという恩恵をうけておきながら、運転者や車の保有者に対する損害賠償請求につき一般的な水準で賠償請求することは不相当という考え方が主張され、その減額を認める裁判例が多く見うけられました。

 

しかし、無償で車に乗っただけで損害賠償請求が減額されるのは不当であるといえます。

 

そこで最近の裁判例においては、好意同乗者からの運転者・保有者に対する損害賠償請求については、単なる好意同乗(無償同乗)という理由だけでは、賠償額を減額しない傾向にあります。

 

例えば、被害者(16歳女性アルバイト)が交際中の加害運転者(16歳男性職業不詳)の運転する自動二輪車に同乗中、カーブを曲がりきれずに川に転落して負傷した事案について、事故の原因は加害運転者がカーブ走行時にハンドルやブレーキの操作を誤ったことにあり、蛇行運転や逸脱走行等によるものでないこと、被害者が事故発生の危険が増大するような状況を作出したり、事故発生の危険が極めて高い事情が存在することを容認して同乗したなどの事情はないとして、損害の減額を否定した裁判例があります(名古屋地裁平成26年8月29日)。

 

他方で、単なる好意(無償)同乗にとどまらず、危険な運転状態を容認又は危険な運転を助長・誘発した場合には、加害者の過失の程度等を考慮の上、一定程度の減額を行うか、慰謝料額を減ずる場合があります。

 

例えば、被害者(19歳男性大学生)が加害者(友人)の運転する車両に同乗中、加害者が居眠り運転をしたため信号機の柱に衝突するという自損事故を起こし受傷した事案について、被害者は、加害者である運転手が、事故の前日の午前8時から午後6時までアルバイトとして勤務し、その後睡眠をとらないまま事故日の午前4時までカラオケボックスで遊興し、疲労や眠気を蓄積させていたことを承知したうえで同乗したとして、慰謝料について2割の減額をした裁判例があります(京都地判平成14年9月26日)。

 

また、被害者(25歳女性アルバイト)が、飲酒後、加害車両の運転者とともに加害車両に同乗し、中央分離帯に衝突する自損事故を起こし受傷した事故につき、加害者が飲酒した状態で運転していることを承知で同乗していたものであるから、公平の見地から20%過失相殺するのが相当であるとした裁判例があります(大阪地判平成17年9月21日)。 

 

従って、原則として好意(無償)同乗による減額は認められませんが、単なる好意(無償)同乗にとどまらず、危険な運転状態を容認又は危険な運転を助長・誘発したような一定の場合には、損害賠償額の減額が認められることになりますので、注意が必要です。 

 

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