最新判例 高次脳機能障害③ | 名古屋駅前の弁護士 三輪総合法律事務所のブログ

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高次脳機能障害とは、交通事故により頭部に強い衝撃をうけて脳の一部が損傷し、機能が低下した場合に発生する障害をいいます。頭部外傷により、意識障害を負った被害者のかたが、意識の回復後、認知障害や人格変化などが発生し、社会復帰が困難となることがあります。

 

本日は、高次脳機能障害の後遺障害が発生した事案について、近時の裁判例(東京高裁平成28年11月17日判決)をご紹介します。

 

この裁判例は、68歳女子パート兼家事従事者が、変形交差点の横断歩道を横断歩行中、自動車に衝突された事案(脳挫傷、頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫)について被害者に発生した高次脳機能障害、身体性機能障害から自賠責2級1号が認定された事例についての高裁の裁判例です。

 

第1審判決は、被害者は車両の運行により負傷したと認められないなどして請求を棄却しましたが、本判決は加害車両運転者の供述が不自然であり他の証拠と整合しないこと、被害者側の主張する本件事故の事故態様は他の証拠と整合するなどを理由として、車両の運行により負傷したと認められると判示しました。

 

そして高次脳機能障害などから2級1号の後遺障害を残す被害者の付添看護費について、本件事件後、重度の認知障害、行動障害となり、独歩不能、尿便失禁、左頸麻痺、記憶見当識障害、幻覚障害等のため、自分が入院中であることを理解できず、随時ないし常時介護者がいる環境でないと安全に過ごすことができないなどと判示し、付添看護料として日額8000円を認めました。

 

また、将来付添費・介護料については、被害者が毎日デーサービスを利用し、週4回は宿泊サービスを利用していること、施設に対する介護料は月額10万円であること、将来にわたって親族らによる付添介護や施設の利用が必要となることが認められるところ、これらの付添看護等に対する費用としては、宿泊サービス利用の日は3000円、通所サービス利用の日は7000円とし、1年間では52週分と1日分となり、これらの合計に施設料月額10万円の12ヶ月分を加えたものを1年の額として認めるとして、年額291万9000円を平均余命の19年にわたり認定しました。

 

さらに、住宅改造費について、被害者が車椅子を利用しており、雨天時に被害者や介護者がぬれずに乗降するためにはカーポートが必要としてみとめられること、トイレや浴室の拡幅等の住宅改造の内容は被害者の在宅介護のために必要かつ相当なものと認められること、他の居住者が利便を享受しているとしても、それは反射的なものに過ぎず、損害額を割合的に認定すべきではないとして、330万6984円を認定しました。

 

また、介護車両費用についても、被害者が独歩不能のため車椅子を利用しており、親族が毎日デイサービスに送っていくことなどから、車椅子ごとに乗降可能な介護仕様の車両が認められるとして、将来の買い替えを考慮して766万2329円が認められました。

 

本判決は、高次脳機能障害以外にも身体性障害が残存した件で、住宅改造費や介護車両費用についても認められた点で評価されると考えます。

 

今後も、このような最新判例についてご紹介をしていきたいと思います。

 

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