6月26日、「モーニングCROSS」に出演しました。

 

「オピニオンCROSS」コーナー、今回は

「受刑者の人権」をテーマにお話しました。コメントを以下にupします。

(内容は一部、再編集を加えています)

 

●どんなニュースだったのか?

横浜刑務所の受刑者が、HIVの血液検査で陽性だったのに、結果を知らされないまま1年以上放置されていたことがわかりました。

神奈川県弁護士会は「人権侵害に当たる」として、刑務所に対して警告を行いました。受刑者はその後発症し、現在治療中です。

 

●番組でのコメント

 

経緯を振り返ります。

受刑者は、2012年12月、HIV検査の実施を受けたいと、横浜刑務所に申し出ています。

刑務所で採血がされたのが2013年4月16日。22日には第一次検査が行われ、結果は陽性でした。

 

第一次検査から第二次検査に進む段階で、八王子医療刑務所が東京保健局に相談をしたところ、

「検体を送る際にはジュラルミンケース(アルミケース)で送付してほしい」と言われたそうです。

 

本来であれば八王子医療刑務所の担当者がジュラルミンケースの準備をしなければいけないものの、

必要書類の作成を失念してしまった。

それで結局、この年に男性は第二次検査には進むことができませんでした。

この間、受刑者の方は何度も「どうなりましたか?」と質問を行っていたものの、

横浜刑務所からは結果を教えてもらえない状況だったといいます。

 

翌2014年の4月1日、ようやく採血が行われたのですが、検査結果が伝えられたのは6月。

それで結局、この間に男性はHIVを発症してしまったんです。

 

どうして今回のようなことが起こってしまったか。背景としていくつかのことが考えられます。

まずは、刑務所医療スタッフの不足です。院内でのWチェック・トリプルチェックという体制があれば、

誰か1人が必要書類の作成を忘れてしまったとしても、ミスを未然に見抜けたのではないかな、と。

現場職員による、受刑者に対する偏見もあると思います。

例えば、2001年には名古屋の刑務所で受刑者が刑務官らによりホースで放水され、亡くなったという事件が起こっています。
実態が知られていないだけで、刑務所内では受刑者に対する人権侵害が日常的に横行している可能性がある。

このことは、多くの人が指摘しています。

どうすれば、こうした状況が変わるのか。まずは、人的な資源を確保するために刑務所に十分な予算を配分することが大切です。

刑務所間で横の連絡をより強化する必要もあると思います。


今回のニュースを通して最もお伝えしたいのは、「だれにでもひとしく人権がある」ということです。

人権は「あるかないか」ではなく、すべての人に保障されるもの。例え受刑者であっても、その大原則は変わりません。

一般の方同様に、治療を受ける権利ももちろんあります。

これを機会に、こうした原則がもっと社会に周知されるようになって欲しいと思います。

 

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弁護士の三輪記子(ミワフサコ)です。
2010年12月の弁護士登録以降2017年秋までは京都で執務していましたが、

2017年秋に同期の塩見直子弁護士と『東京ファミリア法律事務所』を開設しました。

お陰様で弁護士10年目、東京ファミリア法律事務所開設から3年目を迎えました。


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