京都の弁護士の三輪記子(ミワフサコ)です。

離婚するときに,色々と決めなければならないことがあります。

未成年のお子さんがいれば,

そのお子さんの「親権」を父と母といずれが持つのか,

決めなければなりません。

ここで,「親権」とは,

「子の利益のために子の監護及び教育をする権利」「義務」(民法820条)の総称です。

ただし,父母の親権に服するのは未成年の子(民法818条1項)なので,

成人した子,成人擬制された未成年者(未成年でも結婚すれば成年とみなされます。)(民法753条)

は,父母の親権に服することはありません。

親権者は原則として子を監護するものと考えられ,

親権者の親権の行使として,

子の身の回りの世話(身上監護),居所指定(民法821条),懲戒(民法822条),

職業の許可(民法823条),財産の管理及び代表(民法824条)等を

行うので,非常に重大な権利・義務が課されているわけです。

日本では,離婚後は単独親権になるため,

離婚時に「親権者」を定めます。

「親権者」を父にするか母にするかは,

まずは話合いによって,話合いがまとまらなければ裁判所による審判(民法819条5項)で

親権者が定められます。

上述のとおり,親権は非常に重大な責任(子どもに対して)を伴う権利(義務)ですから,

いったん定められた親権を安易に変更することは許容されるべきではありません。

そこで,いったん定められた親権を変更するには,

「家庭裁判所」での手続が必要になります(民法819条6項)。

そして,「子の利益のために必要」か否かは厳格に判断されることになります。

したがいまして,離婚後の親権者変更は簡単には認められないわけですので,

離婚するときには,慎重に親権者を定めるべきであると言えますし,

それが将来ある子どものためになると考えられているのです。

ちなみに,日本では離婚後は単独親権に服することになるわけですが,

離婚後の単独親権が「当たり前」のことではなく,

アメリカなどは,離婚後も父母どちらも親権を有するという

「共同親権」制度があります。

そうすると,国際結婚,国際離婚の場合には事態はより一層複雑になるわけですが,

人生の一大事であることにはかわりありません。

離婚・・・頭によぎったときには,

ご自分の「離婚」がどのような形になるものなのか,

お近くの弁護士にご相談なさってみてもよいかもしれません。

長くなっちゃいました。

おやすみなさいませ。



キャスト (ABC朝日放送毎週月曜日から金曜日16:58~)

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