偏っている。
誰しも。
心の箱の中に
ちょうどいいものを
探して入れているつもりが
勝手に動き出したり
1つだけがスペースを占領したり。
でも、そんなことを繰り返すから
自分の箱のサイズもわかってくる。
無茶して壊れたところは
自分で修正したり、
中身を全部ひっくり返したりして
段ボールから木の箱にしたり
自らサイズを決め
陶器で焼き上げる人もいるだろう。
「満足」って
だからそれぞれに違うんだろう。

でも、彼女は
生まれて もらった箱が
頑丈に溶接された鉄の小さな箱で。
それに理想の自分を詰めるから
もちろん手足がちぎれるし
一緒に詰められた常識も
頭が下になったりと、大変だ。
箱を変えるには相当な技術も
道具も、仲間も必要だろう。
時には、箱ごと捨てる
勇気も必要だろう。
自分のサイズ感を把握できてないから
持てない持ち物をジャンジャン詰める。
入らないものは
壊れてもちぎれても関係ない
どうせ捨てるのだから。
何も入っていないのは怖いから
ちょっと小さめサイズの
生贄をひとつ残す。
そして「理想」をまた
かき集めて詰め込んでいくのだ。

小さな鉄の箱は頑丈だ。

ちぎれたアタシ達は
いつ、癒されるのだろう。